富山の酒蔵で素人3人が挑む!一日酒造り体験記

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日本酒は好きですか!?

もちろん僕も日本酒が大好きでありまして、最初に日本酒に大ハマリしてから既に20年以上が経過しています。

その当時から現在に至るまで日本酒を楽しんできた一人としてハッキリ言えるのは、現代の日本酒は多種多様なラインナップに恵まれ美味しい日本酒が気軽に飲める時代になったということです。

その理由として醸造技術や醸造設備の向上、酒米や酵母の進化、流通の発達など様々な要因が挙げられると思いますが、その土地の味覚を最も引き立たせてくれるお酒はその土地のお酒です。

富山の海の幸や山の幸をはじめとした様々な魅力ある食材は、ぜひ富山の地酒と一緒に楽しんでいただけたらと思います。

一日酒造り体験

僕が日本酒にハマったときに、日本酒に関する書籍を色々読みました。
でも、実際どんなふうにお酒が造られるのかというのはまったくわかりません。

今回は特別に酒造りの現場を取材させていただき、しかも酒造り体験までさせていただけるという機会をいただけました。
先にも述べたように、僕の知識は情報が古いのですが、伝統的であり現代的でもある「酒造り」というものをこの記事で感じとっていただけたらと思います。

皇国晴酒造(みくにはれしゅぞう)株式会社へ

僕にとって酒蔵といえばとても神聖なエリア。
ということで、酒蔵入りする前日から断酒を敢行。身も心も清め、酒造りの最前線へと向かいます。

酒蔵に到着したのはまだ空も明けていない午前6時半ごろ。今回お世話になるのは地区内の各所に名水が湧くことで知られる富山県黒部市の「皇国晴酒造」という酒蔵です。

皇国晴酒造は幻の瀧(通称まぼたき)で親しまれている酒蔵ですが、昭和生まれの人なら「豪華!生一本~!」のCMでもきっとおなじみではないでしょうか。

朝7時から酒造りが始まるということで正面の反対側へまわって蔵の中へ入っていきます。

おはようございまーーす!

静寂に包まれ、整理整頓が行き届いた蔵内は厳粛な気持ちにさせられます。

階段を上ると醪(もろみ)の入ったタンクがずらりと並んでいて、これが美味しいお酒になるのかと思うと胸熱です。

中央にある小さな白いタンクは酒母を仕込むタンクです。酒母は蒸米・米麹・仕込み水・乳酸・清酒酵母を仕込むことでまず小さなお酒のようなものを造り、これを大きなタンクに移し替えることによってより大きな発酵にしていくという、まさに「酒の母」というべき重要な存在です。

ちなみにこの真下は仕込みタンクがずらりと並んでいます。

まずは酒造りの神様「松尾様」にご挨拶。

今回同行するのは友人ヒロシとフジタ氏。僕は撮影もしていますが今回の工程をすべて体験させていただいています。

酒造りの流れ

酒造りは以下の流れで行われます。

(1)酒米の精米
(2)洗米・浸漬
(3)蒸米・放冷
(4)製麹(麹造り)
(5)酒母造り
(6)仕込み・もろみ(三段仕込み)・発酵
(7)上槽(出来たお酒を絞る)
(8)濾過・火入れ
(9)貯蔵・調合・割り水
(10)出荷前の火入れ・瓶詰め


火入れが2回あるのは、火入れを一度も行わないものを「生酒」、一回目の火入れだけを行うのが「生詰め」、二回目の火入れだけを行うのが「生貯蔵」、生詰めをひと夏の間熟成させたものを「ひやおろし」といいます。

今回の体験では(3)の蒸米見学からの製麹造り~(6)のもろみまでを体験させていただきました。

水麹~櫂入れ【6:50】

その日に何が行われるかは日によって変わってくるのですが、この日の朝は仕込み蔵での酒母の水麹造りから始まりました。

水麹とは米麹と仕込水を混ぜたもので、投入後は櫂(かい)入れを行って全体を混ぜていきます。

この櫂というのが棒の先に小さな丸い蓋のようなものが付いているだけなので、うまくかき混ぜるのには少々コツがいります。

蔵人の沼田さんから「下から麹を持ち上げるようにすると混ざりやすくなりますよ」という櫂入れの秘伝を教わりながら丁寧に混ぜていきます。

厳重な雰囲気の扉の向こうは麹室(こうじむろ)という、米麹を作るためだけの専用の部屋があります。

酒造りは昔から「一麹、二酛(にもと)、三造り」と言われているほどに米麹造りは重要なものですが、現在でもそう簡単に部外者が入れない部屋ということです。うーむ、断酒は2日にするべきだったかも・・・

杜氏さんの説明を受けながら盛り返しを行っていきます。

皇国晴酒造の杜氏を務めるのは岩瀬由香里さん。

岩瀬由香里さんは岩瀬新吾社長の奥さんで、これまでは女将さんとして酒蔵を支えてこられましたが、昨年より杜氏に就任。「県内初の女性杜氏」ということで各種メディアでも話題になっていました。

※以下「ゆかり杜氏」と表記させていただきます

部屋の中は密室と呼ぶ以外に言葉が思いつきませんが、米麹はこのような特殊な空間で造られています。

米麹は、ほどよく固まっている上に米同士がくっついているので、この量を人力だけでほぐそうとすると相当な労力を要することが予想されます。

スイッチを入れてローラーが回転しだすと麹はアッという間にほぐれていきました。

米麹の味見をさせていただいたところ、意外とお米が硬いことに驚きました。

米麹は隣のより大きな製麹機(せいぎくき)へと移し替えていきます。

画像手前の方が皇国晴酒造代表取締役社長の岩瀬新吾さんです。ご夫婦で酒造りを行う光景は素敵ですね。

我々ハタラキ見習いは手箕(てみ)で掬った米麹を隣の製麹機に投入していくのですが、わざわざ蔵人さんから「(手箕は)奥ではなく手前へ引くように掬うといいですよ」という秘伝を授かったというのに、我ら素人はやはり奥へ奥へとやってしまいがちでした。

なかなかムズい・・・

米麹を移し終えると木の板状のヘラと定規を渡され、ところどころ定規を突き刺しながら高さが「4.2センチ」になるよう均一にならしていきます。

美しい・・・

この後は丁寧に布をかぶせていき厳重に蓋をしていきます。

麹づくりには「麹蓋」という昔ながらの技法もありまして、それは麹を入れた木のトレーをたくさん重ねて使用するというものですが、この造り方は一定時間ごとにトレーを細かく移動させるという作業が必要になります。

なぜそんな手間のかかることをするのかというと、麹は温度管理がとても重要なので端や上下で温度の差が出てくるのをトレーを積み替えることで全体を一定の温度に近づけようということなのです。

「一部の大吟醸では今も麹箱(箱麹法)を使うこともありますが、これでまったく問題なく造れます」と岩瀬社長が言われるように、この製麹機がばっちり温度を管理してくれるので昔のように人が夜通し見ていなくてもいい時代になりました。

厳重に閉じて、これにて終了!!!・・・のはずはなく──

床にちらばったお米などを丁寧に掃除しておかなければなりません。

「そこにも落ちていますよ」と詰めの甘さを指摘される我らハタラキ見習い3人組でしたが、ここだけは素人を言い訳にはできません。ちゃんときれいにしなくては!

いきなり質問コーナー

せっかくの機会なので、普段気になっていることなどを蔵の人に質問していきたいと思います。

Column

質問:酒造りで食べたらダメなものは?

Q:酒造りをする人にとって納豆はダメと聞いてるのですが、他に食べたらダメなものってありますか?

A:沼田さん「チーズとかミカンですかねえ」

ミカン!?チーズなどの発酵食品はなんとなくわかりますがミカンとは・・・。ミカンがダメな理由は柑橘系の酸や皮に付いている青カビがよくないようです。
発酵食品がNGなのは酒造りの大敵「火落ち菌」が乳酸菌と一緒だからで、特に納豆の「納豆菌」は影響が大きいとのことです。

蒸米【8:30】

まるで蒸気機関車のように凄まじい蒸気を発しているのは「お米を蒸す」工程で、酒蔵で使用するお米は炊くのではなく蒸したものを使用します。

画像には写っていませんが左手にはボイラー室があり、そこから銀色の配管を伝って甑(こしき)へと熱が供給されます。

いよいよお米が蒸しあがったようです。蔵人たちは何かのタイミングを見計らっていて、見ている側もその緊張感が伝わってきます。

合図とともにバルブが閉じられ、蔵人たちが一斉に甑へと集まります。

まさに秒を争う時間勝負。我々ハタラキ見習いはただ静かに見守るしかありません。

ここで再び厚かましくも貴重な蒸米を味見させていただきましたが「意外とかなり硬い」というのが素直な印象でした。おこわよりも硬いけど、でもよく噛めば食べられるくらいの硬さです。

良い蒸米は外硬内軟と言われていますが、確かにしっかり噛み切れることから硬いだけのお米ではありません。

「酒米は食べても美味しくない」ということをあちこちで見聞きしてきましたが、確かに外側の40%ほど削ってほぼ中心のデンプン部分を使用するので、食用のお米と比べてそっけなく感じられるのは逆に美味しいお酒になる証です。

蒸米は五百万石と雄山錦の2種をいただきましたが、僕には味の違いはさっぱり・・・

Column

質問:朝が早いのはなぜ?

Q:7時からの作業ってかなり早いと思うのですが?

A:岩瀬社長「うちは遅いですよ。米を蒸す時間が長いので本当はもっと早くからやりたいのですが、遠くから通っている人もいるので現在はこの時間になっています。」

なるほど・・・ かつての酒蔵は農閑期による出稼ぎの人が泊まり込みでお酒を造るのが主流だったので、もっと早い時間からでも稼働出来たということなのでしょう。

蒸煮原料冷却機に蒸米を投入すると回転するローラーによってお米がほぐされていきます。

そして蔵内に「ゴオオオォォォーー」という大きな音が鳴り響き、蔵内はまるで飛行場でジェットエンジンが点火されたような荒々しい雰囲気に包まれます。

まるでおとぎ話に出てきそうな大蛇っぽいホースをタンクへと近づけていきます。

送られてきたお米はまずサーマルタンクへと注がれていきました。

サーマルタンクとはいったい何かというと「冷蔵機を内蔵したタンク」で温度調節が可能なタンクです。

かつて大吟醸酒は極寒の時期にのみ作られていたお酒ですが、これを使えば安定した温度管理ができるので真冬でなくても大吟醸を造ることも可能なのです。

今度は酒母タンクへ。

ホースの先に繋がってるこの器具は一体!?

「見ていればわかりますよ」と言われましたが、確かに見れば一目瞭然でした。勢いよく送られてきたお米が周りに飛び散らないようにするものだったのです。

「ちなみにこれはなんていう器具です?」と聞いたら「特に、名称はないです」だそうです・・・

製麹(床もみ~もみ上げ)【9:00】

下へ降りると今度はゆかり杜氏がお米の上から種麹(麹菌)を振りかけています。

ということは、これは麹造りに使用されるお米ということですね。

ほぐされた蒸米に空気が送り込まれ、ほどよく冷却されながらコンベアーで運ばれていきます。

かつては広げた布の上に蒸米を乗せて自然放冷によって温度を下げていましたが、この機械があれば短時間で安定的にお米を冷やすことができます。これは便利!

運ばれてきたお米は最終的に一箇所へ集まります。

さて、ここからが僕らの腕の見せ所ですよ!

走る!!

走る!!!

もちろん僕も走った!!

すべて運び終えたら、集められたお米をひとまとめにする作業を行います。

お米をほぐしてバランスよく中心に寄せていく作業ですが、既にお米の重みで下の方がくっつきつつあるので下から持ち上げてひっくり返すようにしてほぐしていきます。

「マッサージするように、親指を使って肩こりをほぐすように、腰を入れて、部分部分でやると疲れるので身体全体でやるといいですよ」というアドバイスをいただきまして、なんとなくイメージはつかめました。できるかどうかは別として・・・

蓋をして終了!・・・ではなく、散らばったものもあったので掃除もしました。

麹室内は常に30度くらいに保たれているのですが、その熱源は壁に張り巡らされたこの電熱線。確かにこれが一番衛生的に部屋を温められそうです。

麹室での作業もそこそこの肉体労働ということでかなり汗だくになりました。

作業を終えて驚いたのが、お米をあれだけ触ったのに手がサラサラになるんですよ。もしかして美容にいいのかな?と淡い期待を抱きましたが、「でも触りすぎると指紋がなくなりますよ」と言われました・・・

洗米【9:40】

とりあえず休憩時間となったのですが、お米を洗っている現場に遭遇しました。

暇そうにしている我々に「せっかくだから酒米の袋を開けてみませんか?」と声をかけていただいたのでチャレンジすることに。

袋の開け口はミシン目になっているのですが、ヒモの先っぽの部分を指でシュルッとほどき赤い紐を横に引っ張ると抵抗なく外れる・・・はずが?

なぜか絡まってしまい、お手をわずらわせることに・・・

ヒモの先っぽさえうまく処理できれば、スーーーっと力なく外れていくのがなんとも心地よい感触でした。

この酒米の袋を機械に入れていくという作業は、力仕事な上にミスが許されないという、なかなかの大役のように思いました。

汗をいっぱいかいたので蔵の敷地から湧き出る「岩瀬家の清水」で喉を潤します。

最初「コップがないと飲めないワ」などと中世のお嬢様みたいなことを言っていたヒロシも、我々がうまそうに飲んでいるのを見てついにその清らかな口をつけました。

この岩瀬家の清水は、ほんのりしょっぱい超硬水で「クエン酸と糖分を足すとスポーツドリンクになる」というこの不思議な水は「びっくり水」と呼ばれています。裏の門が開いていれば自由に飲んだりしていっていいとのことですよ。

酒の仕込み水はこれとは別に蔵内から湧き出る軟水が使用されています。同じ敷地内に2種類の名水が湧いているなんて、なんと贅沢なことでしょうか。

忙しかった午前中とは打って変わって再び静けさを取り戻した蔵内ですが、午後の最初の作業は酒母に櫂入れを行っていきます。

午前中にお米を入れたばかりなのに既にすさまじく硬い!!

しっかり腰を入れて櫂を突き刺さないとタンクの底まで櫂が達しないほどにガッチガチです。

なぜ櫂の先っぽを大きくしていないのかがよくわかりました。大きくしすぎると抵抗が大きくなりすぎて混ぜにくくなるからですね。

一方、時間が経過しているこちらのタンクはゆっるゆるでした。

続けてカンフー映画に出てきそうな一番長い櫂を取り出します。4mくらいありそう。

大きいタンクの醪もかき混ぜていきます。タンクが大きいので慎重に丁寧に。

ちなみにタンク内でどんな発酵が行われているかを大雑把に一言でいうと「並行複醗酵」といって、麹菌が酒米のデンプンを糖化させて、酵母菌が糖を分解してアルコール発酵し、乳酸によって雑菌は排除しつつも酵母菌には影響がなく、アルコール発酵がほどよく進むと酵母菌の活動も止まっていくということなのですが・・・

いやいやいや、そんな都合のいい話がこの世にある!?って話なんですが、果たして酒の神の悪戯なのかバグなのか、日本人の知恵はとてつもないと思うばかりです。

タンクは一つ一つ仕込んだ日が異なるので、それぞれ香りも異なるとのことですが、確かに仕込んで間もないものと、しばらく経ったものとではまるで香りが違って面白いです。

上の画像にある「添・踊・仲・留」は三段仕込みと言われるもので、お酒の仕込みは一度に全部材料を入れて終わりではなく3回に分けて行われます。
 

1日目:初添 酒母に米麹・蒸米・水を投入
2日目:踊り 何もしない日(2日間の場合もある)
3日目:中添 初添えと同じ材料をほぼ倍量投入
4日目:留添 中添と同じ材料をほぼ倍量投入


段階的に量を増やしていくことで酵母が弱くなったり雑菌が湧きやすくなるのを防ぎ、より大きな発酵を促すという昔ながらの日本人の知恵が生かされています。

個人的には何も入れない日を「踊り」と呼ぶ風流さがたまらなく好きです。

日本酒好きにとってこの香りはウットリするしかありません。こんな香水があったらいいのに・・・

しかしいくらいい香りでもタンクに顔を近づけるのは大変に危険なので、香りをかぐときは手だけをタンク内に入れてかきだすようにしましょう。体も横たわった姿勢になっておくのが安全とのこと。

Column

質問:もしタンクに落ちると?

Q:タンクに落ちたら死ぬと聞いてるのですが。

A:岩瀬社長「即死します。二酸化炭素によって一瞬で気を失ってしまいますので。」

二酸化炭素は空気よりも重いのでタンク内は酸欠状態になっているとのこと。いくら好きな香りでも顔や体はしっかり遠ざけておこう・・・と自分にいい聞かせました。

ゆかり杜氏が米麹を運んできました。

一つ一つがズシリと来る重さなので、これを一人で運ぶのはなかなか大変でしょう。

Column

質問:力仕事で大変?

Q:酒造りってかなり力仕事が多いと思うんですが、女性だと大変な部分もあるのでは?

A:ゆかり杜氏:「どうでしょうかね~?重いのは力持ちの人に頼むので~(笑)」

う~ん、それは正解!(笑)お酒は一人では造れませんし、そこはチームワークで乗り切るということですね。

A:ゆかり杜氏:「(私は)農家の娘なので重いものには一応──」

農家出身ということは蔵人の沼田さんも初耳ということでした。岩瀬家へ嫁ぐとき、ゆかり杜氏のお父さんは日本酒がお好きなのだそうで「お前はなんていいところに嫁に行ったんだ」と言われたとのこと。嫁いだどころか今やお酒まで造るようになるなんて親孝行すぎませんか?(笑)

ではタンクに投入する役目は我々にお任せあれ!・・・と思ったら米麹は冷凍されて固まっていて、カッチコチってほどではありませんが頑張ってほぐしつつ投入していきます。

投入後は掃除に勤しむ我々。僕らもかなり丁寧に掃除したつもりでしたが、後でこのフロアに来たら他の方がさらにホウキがけしていて、さらに別の方がモップまでかけていました。

なるほど・・・酒造りは「一麹、二酛、三造り、四掃除」であるということを大いに実感した次第です。

朝に引き込んだばかりの米麹ですが、これを一度バラバラにして再度かき混ぜる作業を行います。

今回は麹室に入るときに手袋をして手洗いをした上で手指消毒を行うという厳重さ。米麹の重要性を垣間見た瞬間でした。

まずは機械で大まかにほぐしていきます。

作業そのものは朝に行ったものと同じなので粛々と作業を進めていきます。もはや我々も手慣れたものです。

Column

質問:酒造りで一番嬉しい瞬間は?-1

お酒を絞る「薮田式自動醪搾機」通称ヤブタ

質問:酒造りで一番嬉しい瞬間は?

Q:お酒を造っていて一番うれしい瞬間はいつですか?

ゆかり杜氏:「やっぱり絞ったときのお酒を利くときが── 沼田さんはどうですか?」

沼田さん:「同じくです。ヤブタから出てきた瞬間が──」

なんということでしょう。僕も酒蔵でしぼった直後のお酒をいただいた機会が過去にありましたが、その体験はそれまで日本酒を飲んできた中で一番わくわくする瞬間でした。つまり・・・皆同じということだったり!?

作業は滞りなく進み、再び蓋をしていきます。

これを以て我々の酒蔵体験は終了──ええ、今回は何も飛び散りませんでしたよ。

ということで本日はどうもお世話になりました!!

酒造り体験を終えて

全体的な感想としては慣れもあるのでしょうがなかなかに力や体力を要するし、酒造りに関しては昔ながらの伝統的な酒造りを踏襲しつつ、効率化を図ることで労働の負担を減らし働きやすい環境づくりに取り組みながら同時に質も高めていくという印象でした。

かつて本で読んだ“ひたすら手作業が多かった時代”と比べると酒造りも大きく進歩していたのだなと感じました。

まだ書ききれないことはいっぱいあるのですが、日本酒好きの一人として酒造りの現場を目の当たりにできたのは心から光栄に思うばかりです。

この後は、我らがお気に入りの入善町コスモ21「いずみ魚津鮮魚店」で買ってきた刺し身と「まぼたき」で省みない反省会を行ったのは言うまでもありません。

今回の体験を経て、さらに日本酒が好きになりました。蔵元さんや杜氏さんの酒造りへの思いや情熱、蔵人さんの笑顔と優しさは今後もけっして忘れることはないでしょう。
 

さあ、今夜も日本酒で乾杯!!

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