「富山ブラック」オススメのお土産5選!~黒くぬれ!Paint It, Black~
「富山ブラック」といえばラーメンだ。しょうゆベースの黒く塩辛いスープが特徴で、富山へ来た際に寿司と並んでご当地グルメとして求める人が多い。そんな「富山ブラック」の味や色合いをベースに開発された商品や、古くから県民に親しまれている”黒い”食品がある。地元民がおすすめする「富山ブラック」のお土産を5品紹介する。
【イカの黒作り】ご飯のおともや酒のつまみにぴったり
はじめに紹介するのは「イカの黒作り」。スルメイカの身を細かく切り、イカ墨と肝臓を混ぜ合わせたイカの塩辛の一種で、古くから富山県民に親しまれている。通常のイカの塩辛と比べコクと甘み、粘り気が感じられ、ご飯のおともや酒のつまみにぴったりとハマる。「黒作り」は数社が生産しており、今回は富山市の蛯米(えびよね)水産加工の商品を味わってみた。
真っ白に艶光る米に、黒く塗るかのごとく黒作りを乗せ、口を大きく開けてご飯をかきこむ。濃厚なイカのうま味と塩味、コリコリとした歯ごたえが口内で白飯と合わさる、その一瞬は尊い。白いものを汚したかのように見える茶碗の様相に、少しの背徳を感じつつも、それでもなお美味しさを求める欲は止められない。黒作りを箸でよそっては、白い米粒の上に置き、乱雑に黒へ染めていく。病みつきになる味で、ご飯を平らげた後は満足感に包まれるだろう。
イカの黒りはこのほか、パスタなどアレンジも豊富にあり、海の幸に恵まれた富山のお土産として是非買い求めていただきたい。
【富山ブラック万能タレ】家庭で手軽にあの味を再現
続いては富山と東京で居酒屋「おあじ」を経営する富山市の飲食業「P.M.C」が開発した「富山ブラック万能タレ」。同居酒屋では名物メニュー「富山ブラック焼きそば」があり、また、焼きそばはカターレ富山のスタジアムグルメでも販売されている(下記コラムを参照)。家庭でもその味が手軽に味わえる調味料だ。物は試しと、最近めったに料理をしない筆者が「富山ブラック焼きそば」を作ってみた。
富山ブラック万能タレのラベルにあるQRコードからタレを使ったレシピの動画が閲覧でき、材料の用意や調理方法も安心だ。タレ以外に用意した材料は、豚バラ肉、キャベツ、焼きそばの麺。そしてメンマ。フライパンに油を引き、適度に切った肉とキャベツ、メンマを入れ、塩コショウしながら炒めた後、麺を投入。少し水を入れ、ふたをして蒸し上げる。仕上げに万能タレをそのまま豪快に注ぎ(本来は大さじ2杯)、香ばしい匂いがするまで炒める。皿に移して、アレンジで目玉焼きを東南アジアの屋台風に作り(というか、そうなってしまった)、男っぽさ満点の富山ブラック焼きそば目玉焼き乗せを完成させた。
食べてみるとあら不思議、大雑把で適当な調理だったのに、しっかりとブラック焼きそばの風味が感じられ、「美味い!」と自画自賛してしまった。知人に画像を見せると、「店で出てくる品みたい!」と、お世辞かもしれないけれども嬉しい反応が。この万能タレは、全ての人に富山ブラックを楽しめる事実を証明したのであった。
万能タレはこのほか、ブラックラーメンはもちろん、チャーハンといった炒め物や、もつ鍋などの鍋物にも応用できるので、試してみてはいかがだろう。
Column
【富山ブラックしろえびせんべい】ピリリと濃い風味は酒のアテにぴったり
3品目は「富山ブラックしろえびせんべい」。富山を代表する大人気しろえびせんべいブランド「しろえび紀行」を製造する南砺(なんと)市の菓子製造業「日の出屋製菓産業」の商品で、小判型のしろえびせんべいをベースに濃厚スープと黒コショウの味わいを加え、独特の風味を再現している。1袋の中に6つの小袋に分かれて入っており、おすそわけにも最適だ。
白いせんべい生地の上にまぶされた黒の模様が、見た目にもクセのありそうな風情を醸し出している。一口つまんで口に入れると、白えびせんべいの甘さを感じた後に、塩っ辛さと黒コショウのスパイシーな風味が追いかけてくる。一枚一枚が濃厚で、ビールをはじめとした炭酸系飲料を所望したくなるのは間違いない。
せんべいの味を体験した酒好きの筆者は、こうしちゃおれん、と、そそくさとビールをジョッキに注いで乾杯。せんべいを口にしてビールを流し込む。塩味と辛味がビールのキレとコクをさらに際立たせる。それから好きな小説を手にしてソファーに腰を落とし、ビールとせんべいと読書をローテーションで回して楽しむ。まさに“ゴールデントライアングル”な至福のひと時を過ごした。
【富山ブラックサイダー】老舗飲料メーカーが開発した「クセになるサイダー」
4品目は富山市の老舗飲料メーカー「トンボ飲料」が発売する「富山ブラックサイダー」。
トンボ飲料といえば、我々中年世代は約35年前の子ども時代に「ローヤルクラウンコーラ(RCコーラ)」という名の瓶入りの炭酸飲料を販売していたイメージが強い。その商品は主に駄菓子屋に置かれ、価格は100円を切って70円前後で販売されていた。王冠と称される瓶のふたがくじになっており、王冠の内ふたを釘など使ってめくると、当たりで金券が付いてくる仕組みで、子どもにとって買い求めやすく、楽しさを与えてくれる飲料だった。
本筋とは話が逸れてしまったが、30年以上前の記憶を昨日あったかのように語れる、それほどまでにトンボ飲料は炭酸飲料メーカーとして地元民に愛されているのだ。その同社が商品化した「富山ブラックサイダー」は、一風変わったクセになる味として、ご当地サイダーの地位を確立している。
一口飲むと、慣れ親しんだコーラの味わいが喉元を過ぎる。爽快な炭酸のきめ細かさが突き抜けた後に、刺激的な辛みが喉奥に張り付き、しばらく留まって落ちない感覚を覚える。この感覚が後を引く美味さと、メーカーの富山ブラックへの想いの強さを表しているよう。甘い、塩辛い、爽快と3つの単語に集約される独特なテイストの飲料は、和菓子などの甘味との相性も良く、ウィスキーで割ってハイボールにしても面白そうだ。
【富山ブラックどら焼き】もちふわ生地とバターしょうゆの甘じょっぱさがたまらない
最後に紹介するのは「富山ブラックどら焼き」。射水(いみず)市の菓子店「野村屋」が製造している。「富山ブラック」と名が付くと塩辛いどら焼きを想像してしまうが、筆者も食べた経験がなかったので実食してみた。
袋を開けると、黒茶の濃い焼き色に「富山ブラック」と刻印された生地が目に留まる。半分に割ると、バターの芳醇な香りが漂い、食欲がたぎってくる。そのまま実食へ。ふわふわでしっとりとした生地の食感と、しょうゆベースの味付けにバターを加えた甘じょっぱいあんの味が見事にマッチしている。香りも良く、お土産用商品という枠ではなく、新感覚のどら焼きという印象を受けた。生地とあんの食感と味に魅了されてしまい、あっという間に食べ終えてしまった。
野村屋はこのほかにも、射水市のマスコットキャラクターをイメージした「ムズムズどら焼き」や観光スポットの海王丸を描いた「海王丸どら焼き」も生産しており、3種類が入ったセットも販売している。
まとめ
今回紹介した5つの「富山ブラック」お土産の大半は、JR富山駅構内の売店「きときと市場とやマルシェ」や富山空港の売店「まいどは屋」で購入できる。来県した際のお土産候補として、是非とも参考にしていただきたい。