【体験記事】滑川の「ほたるいか海上観光」は、まるで海上のプラネタリウム！

富山の春の風物詩、ホタルイカ。

水深の深い富山湾は、世界有数のホタルイカの漁場として有名。
ブリやカニと並んで、富山を代表する海産物の1つと言えるでしょう。

名前の通り光るのが特徴ですが、食べてもおいしい！
（というより、食材のイメージの方が強いことと思います）
富山では春の旬の味として食卓に並び、季節の切り替わりを感じる人も多いそう。

2024年は近年稀に見る、ホタルイカの「爆湧き」で話題となりました。
新鮮な詰め合わせパックがスーパーで安く買えるのは、まさに富山ならではの光景！

食材としてのイメージが強いホタルイカですが、光る習性もまた興味深いものです。
また、深海生物なのでその生態はいまだ謎が多いそうです。
生きたホタルイカを見る機会、そうありませんよね？

そんなミステリアスな体験ができるのが、今回特集する海上観光ツアーです。
ホタルイカ漁場の1つ「滑川」から海上観光船に乗り、光るホタルイカを鑑賞できるというもの。

この度、実際に乗船して体験してみました。

まずは深夜1時半、道の駅「ウェーブパークなめりかわ」に集合。
受付で料金を払い、チケットとライフジャケットを受け取ります。

※当日受付はなく、完全予約制となります。

観光船は朝2時に出航するため、辺りは真っ暗。
海上は少し肌寒いので、防寒着の用意をお忘れなく。靴は普段履きでもOKです。

乗船中、富山湾のホタルイカの秘密を詳しく聞くことができました。
なぜ滑川では定置網漁が盛んなのか？など、とても興味深いエピソードでした。

ツアーでは2箇所の定置網を訪問します。
やはり自然が相手なので、発光ショーの度合いはその日の獲れ高、空模様次第。

スポットに着くと、網を手繰り寄せる漁師さんたちの姿が。
静寂に包まれた海に、煌々と輝く船の照明。なんとも神秘的な空間でした。
網を引く漁師さんに声援を送ると、豪快なパフォーマンスで返してくれます。

ちなみに船酔いが少し心配でしたが、海面が穏やかで移動時間も短く全然大丈夫でした。
水飛沫もほとんど飛んできません。

網が揚がるにつれて、獲物が海面近くに浮上してきます。
ライトを消灯すると青白い光が水面に広がり、船上からは驚きの声が！

肉眼で見ると大変美しいものの、カメラに写すのは至難の業です。
揺れる船上、しかもほぼ暗闇の中で、シャッターチャンスはごく僅か。

撮れ高狙いの方は、ズームレンズ付きの一眼レフカメラがおすすめです。
鮮やかな発光写真は、記事内の各リンクからご覧くださいませ。

あっという間の海上ショーは終わり、いざ漁港へ帰還。
下船後は、歩いて漁港内へ入場します。

ここでは、水揚げ直後のホタルイカの仕分け作業を見学できます。
柔らかいイカが傷つけないように、丁寧に手作業で選り分けられます。

あっという間に黄色いカゴに収まり、その重さはなんと1つ50kg。
ホタルイカで一杯のカゴが次々に並んでいきます。

ホタルイカで一杯のカゴがずらりと並び、まさに圧巻の光景です。
仕分け後はスピーディな連携で、新鮮なまま各所へ配送されます。

取材当日はそこまで豊漁ではなかったそうですが、それでもこの量！
神秘的な発光ショーに加えて、ホタルイカ漁を支える人々の姿もまた素晴らしいものでした。

ライフジャケットを返却し、朝4時50分に全行程は終了。
深夜に起きるのは大変ですが、満足感高いツアーとなりました。

世界でも珍しいホタルイカ海上観光ですが、実は二重の意味で希少なツアー。
というのも、開催可否は海のコンディションに左右されるため、実際の出航率は50%ほどだそうです。
まさに当日の好天を祈るばかり。

せっかくの予約がお流れに、という方に向けた施策も用意されています。
欠航時は、隣接する「ほたるいかミュージアム」を無料で拝観できます。

シーズン中は、とても希少な生きたホタルイカを見れるチャンス。
家族でのお出かけにもおすすめです。

開催期間：令和6年3月30日（土）～ 5月6日（月・振替休日）
定員：40名
料金：大人：8,000円 / 小中学生：4,000円（未就学児は乗船不可）
※乗船券のみweb予約の場合は予約時のクレジット決済のみです。
※出港後、海況が悪く中止になった場合は返金いたします。


※ 2024年度は全ての予約を終了しました。

海上観光ツアーとセットでご紹介したいことがもう1つ。

全国でも、いや世界でも珍しいホタルイカづくしのお祭りも開催されます。
滑川の春の祭典、こちらもぜひお見逃しなく！

※ 2024年度は開催を終了しました。