アルペンルートの裏側を大冒険!秘境と学びの宝庫「20世紀遺産を巡る 立山カルデラ砂防体験ツアー」に参加してみた
立山カルデラ砂防体験ツアー。それは地理、歴史、ロマンが詰まったスペシャルなツアーで、新発見の連続でした。その様子はまるで「アルペンルート裏側を行く大冒険」。本ツアーでのみ訪問できる、カルデラ内部の絶景スポットをご紹介します!
立山エリア最奥の秘境へ。立山カルデラ砂防体験ツアーとは
一般には開放されていない特別エリア「立山カルデラ」の内部を大冒険。それが今回の「立山カルデラ砂防体験ツアー」です。
ちょっとお堅い名前ですが、見どころは大きく3つ。立山カルデラの大自然、砂防工事を巡る歴史、そしてロマン溢れる超巨大構造物。これらを一挙に満喫できる、知的好奇心くすぐる社会科見学ツアーです!
カルデラとは、火山の噴火で生じた鍋状の凹地。土砂災害をもたらす危険地帯であり、手付かずの自然と先人の開拓痕が残されています。現在は工事関係者のみ立入可能な特区で、一般開放はされていません。
そんな特別エリアに入り、秘境を巡り、学びを深めるのがこのツアーのコンセプト。
今回は天候にも恵まれて、たくさんの絶景スポットをカメラに収めてきました!
冒険のスタート地点は富山駅
ここからはツアーの1日をレポートします。
まずは朝8時半、富山駅北口のバス乗り場に集合。日本一の急流「常願寺川(じょうがんじがわ)に沿って移動し、立山カルデラ砂防博物館(通称:立カル)に向かいます。
服装は、山に分け入るので明色の長袖長ズボン、スニーカー、サングラスで夏山風に。飲料水、お弁当、日焼け止めも必須です!
まずは室内で予習!立山カルデラ砂防博物館をプチ見学
1時間ほどで立カルに到着。まずはジオラマで、カルデラ内部の主要スポットをおさらいしていきます。
ガイド吉浪さんのユーモラスな解説で、カルデラについて理解を深めることができました!
筆者は自宅が近いこともあり、何度も足を運んでいる立カル。ちょうど展示が夏山フェアに切り替わっており、新鮮な気分で見学しました。
30分では到底回りきれないほどのボリュームで、ぜひ別日に再来していただきたいくらいの魅惑スポットです!
Column
じっくり見たい!立カルでインドア社会科見学
体験会では30分ほどの立カル滞在でしたが、ここだけでも半日過ごせてしまう至高の学びスポットです。雨の日でも楽しめます!
地理マニア必見!「立山カルデラ砂防博物館」でプチ・アルペンルートツアー有峰を抜けて、いよいよ立入制限エリアへ
立カルの次は、標高1,100mの有峰エリアへと上昇。トイレ休憩を挟んで、いよいよカルデラ内部へと足を踏み入れます。
料金所を越えると、山を縫うようなワインディングロードが続きます。バスが苦手な方は酔い止め必須です。
Column
アウトドアの楽園!有峰エリア
日帰りするには惜しい、美しい大自然が広がる有峰エリア。薬師岳登山やキャンプなど数々の遊びが楽しめます。標高1,100mのちょっと涼しい気候もオススメポイント。
富山県の秘境「有峰」の魅力に迫る!大自然を感じられる超穴場!車窓から外を覗くと、ときおり崩れた山肌が見えるワイルドな景色。土砂崩れを誘発しやすい、不安定なエリアという雰囲気が伝わってきます。
有峰トンネルを潜ると、いよいよカルデラの内部へと到達。ここから先は、秘境の絶景と驚きの連続です!
カルデラに広がる大パノラマ!六九谷(ろっきゅうだに)展望台の絶景を望む
カルデラに入ると、序盤の絶景ポイント六九谷(ろっきゅうだに)展望台へ。1969年、集中豪雨が引き起こした土砂災害が谷を形成したことに由来します。
天気が変わりやすい立山エリアは、濃霧で何も見えない日もあるそう。取材当日は幸運にもベストなコンディションとなりました!
六九谷の砂防工事は1973年から始まり、およそ50年をかけて植生を回復させるまでに至りました。高台の真下は、以前は崩落跡が広がっていたそうです。
その景色の迫力は、写真には到底収まりきらないほど。ぜひ実物を見に行ってみてください!
立山温泉跡地に、人と自然の共生を見る
次の訪問スポットは立山温泉跡地。アルペンルート開通以前、山奥にも関わらず多くの人を惹きつけた、秘境の温泉地でした。
砂防工事の事務所も最初はここにあったそうです。温泉の湧くところに人は集まるのでしょうね。
役目を終えた温泉跡地、そして神秘的な泥鰌池(どじょういけ)を訪問。自然と人工の対比に、当時の人々の生活が見えるような気持ちでした。
一通り見学を終えたら、そよ風が気持ちいい休憩所でランチタイム。自然のど真ん中に食堂はありません。お弁当は忘れず持参しましょう!!(筆者は忘れました)
温泉跡地の周辺にも、見どころは満載。このツアーで山腹工(さんぷくこう)という言葉を初めて知りました。斜面の崩壊を防ぎ、山の再生を促す石垣だそうです。
地下42mから湧き出る「天涯の水」はミネラル豊富な天然水。驚くほど冷たく、暑さを和らげてくれました!
高さ日本一!ロマン溢れる白岩堰堤(しらいわえんてい)
体験会最後の訪問スポットが白岩堰堤。主堰堤、副堰堤を足すと落差108mとなり、日本一の高さを誇ります。この落差が、土石流の勢いを弱める役割を果たします。
その大きさは、黒部ダムにも見劣りしないほどの迫力。巨大構造物ファンにはたまらないスポットでしょう!
人目につきにくい場所にありながら、今も災害を防いでいると思うと何とも感慨深い気持ちでした。人工物の迫力と自然の脅威、2つを同時に感じられるスポットです。
2023年現在は国の重要文化財に指定されており、のちの世界遺産登録を目指しているそうです。
まとめ:砂防の歴史は、富山の歴史
白岩堰堤を後にし、16時半のオンタイムで富山駅へ帰着し、ツアーは終了。最高の天気で120%楽しめました!
バスツアーは効率良くたくさんのスポットを巡れるため、充実感があります。
カルデラの大自然と、砂防建設の現場を目の当たりにし、現在の平和な富山平野に想いを馳せることができました。そのコアな内容からリピーターも多いそう。
参加するたび新たな発見がある、そんな特別な時間をぜひこのツアーで味わってほしいです!
おまけ:ツアー解散後は、ぼてやん多奈加で富山駅前グルメ
歩き回ってタップリ汗をかき、なんだかコッテリ味が食べたい。そう思い立って地元で大人気の「ぼてやん多奈加」へ。富山駅南口から徒歩2分で到着、17時の開店前からすでに行列が!
名物の四角いお好み焼きは、甘めのマヨがクリーミーでとても美味でした!ソースが効いた太麺の焼きそばも食べ応えバッチリ。濃い味がお好きな方にオススメです!
今回ご紹介した体験プランの詳細・ご予約はこちら
【VISIT富山県】20世紀遺産を巡る 立山カルデラ砂防体験ツアー
■所要時間:約8時間
■料金 :3,500円(税込)
■対象年齢:小学3年生以上(中学生以下は保護者同伴)
■2023年度のツアーは販売終了いたしました。最新情報は下記サイトにてご確認ください。
*こちらはVISIT富山県とのタイアップ記事です。