小矢部市「メルヘン建築めぐり」のススメ
富山県小矢部(おやべ)市には、ヨーロッパの有名なお城や宮殿などの建築をモチーフにした公共施設(小中学校や公民館)、通称「メルヘン建築」が34棟もあります。今回は、見た目の美しさ、行きやすさの観点で選んだおすすめのメルヘン建築を8棟、私が車で回った順に紹介します(所要時間は2時間ほど)。
小矢部にメルヘン建築がたくさんある理由は?
小矢部(おやべ)市にメルヘン建築がたくさんある理由は、故松本正雄氏が市長を務めていた1972~86年に、市長の発案でお城や宮殿をモチーフにした公共施設がたくさん建設されたから。背景には「市民が夢を持てる地域のシンボルを」という想いがあったそうです。
多くが今も使われていますが、特殊な形状で維持や管理が大変なので、老朽化に伴い取り壊される施設も出てきています。メルヘン建築を見るなら今がチャンスです!
オックスフォード大学をイメージした「蟹谷中学校」
小高い丘の上にある蟹谷(かんだ)中学校は高さ42メートルの中央の尖塔がオックスフォード大学、校舎中央はベルサイユ宮殿をイメージしている、とのことです。門が立派で、風格が漂っています。
東大の校舎を意識して作られた「蟹谷小学校」
蟹谷(かんだ)小学校は、蟹谷中学校から車で数分の場所にあります。校舎と時計台は、東大教養学部を模しているそうです。門の外からでも広々とした小学校の様子が分かります。
東京駅がモデルの「サイクリングターミナル」
ルネッサンス様式の東京駅をモデルに作られた公共の宿泊施設です。受付、食堂、客室(和室と洋室の両パターン)などの内装は一般的な宿泊施設と変わらない雰囲気です。自然に囲まれた静かな環境の中、リーズナブルな価格で泊まれます。
中世西洋建築を再現した「薮波公民館」
薮波(やぶなみ)公民館は、町中を車で走っている時に突如現れ、驚きました。中世西洋建築の代表である、ゴシック建築を再現しているそうです。中世の教会のような外観の公民館は、国内では小矢部市にしかないのでは?
川沿いにある「津沢こども園」
小矢部川沿いにある津沢(つざわ)こども園は、本体は東京赤坂にあった旧霊南坂教会、正面入口は迎賓館をイメージしているそうです。「津沢記念公園」の近くにあるので、公園の駐車場に車を停められます。
町中に現れる、お城のような建築物「石動中学校」
石動(いするぎ)駅にも近い、町中にある石動中学校は「キャッスル・オブ・スピリット」と呼ばれるスイスの中世の城をモデルにしている、とのこと。随所に工夫があり、まるで映画やドラマのロケ地のようでした。
完成度が高い、今回のイチオシ!「大谷中学校」
大谷(おおたに)中学校は、今回訪れた中で、最も素敵だと感じたメルヘン建築です。ナビに従って行ってみたところ、田んぼの中にヨーロッパ風の校舎が現れて、本当に驚きました。本体の塔屋は東大安田講堂、正面は東大教養学部、高さ47mの塔の先端はオックスフォード大学の学生寮をモチーフにしているそうです。時間がない方は、ここだけでもぜひ見に行ってみてください。
地上100mからメルヘン建築を見てみよう!「クロスランドタワー」
最高部118mのクロスランドタワーにも足を運んでみてください。地上100mに展望フロアを備えており、メルヘン建築を確認できます。また、都会のタワーと異なり、眼下には田園風景が広がり、遠くには雄大な山々が見えます。緑いっぱいの風景に癒されますよ。
「道の駅メルヘンおやべ」でお土産をゲット!
道の駅メルヘンおやべには、農産物の直売所やお土産屋さんがあり、小矢部ならではの美味しいものが手に入ります。観光マップがあり、パンフレットも多く置かれているので、メルヘン建築めぐりの出発点にするのもおすすめです。
今回は、お土産店でこんぶ餅と昆布きんつば、不動おやきを買い、農産物直売所できゅうり、しいたけ、枝豆を買いました。
おやべ名物として人気の「こんぶ餅」は文字通り、昆布がまぶしてあるお餅なのですが、甘くないので、小腹が空いたときの軽食にもおすすめです。昆布のうまみが絶妙で、行くたびに買いたくなる一品です。農産物は新鮮でおいしいものばかりでした!
今回巡ったスポットの地図はこちら
Google Mapの読み込みが1日の上限を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください
「メルヘン建築めぐり」は、地図をもとに建築物を探し出すという冒険的な要素もある、とても楽しい体験でした。小矢部市に行く際は、ぜひメルヘン建築も見に行ってみてください。
なお、メルヘン建築について調べるには、下記の「小矢部市観光協会」と「小矢部市」のまとめページが分かりやすいです。参考にしてみてください。