おいしい薬膳コースに舌鼓！「池田屋安兵衛商店」のレストラン「薬都」体験レポート

「池田屋安兵衛商店」は富山市の中心部にあり、富山駅からは市内電車の「南富山駅行」に乗り「西町」駅で下車し徒歩3分、車では約5分で着きます。お店の裏には無料駐車場があります。

お店は中心市街地で最古の木造建築。中は昔ながらのつくりを生かした内装になっており、タイムスリップしたような気分になります。

「池田屋安兵衛商店」の1階では、江戸時代に誕生した富山を代表する胃腸薬「反魂丹」をはじめとする漢方薬を、専門の薬剤師に相談しながら購入できます。丸薬製造機の製作体験（無料）もでき、とても面白かったです。

また、「薬都」でも飲めるお茶や各種ハーブ、入浴剤も置かれています。私は今回、お茶や入浴の際に使うためにジャスミンを購入。日々、香りと味を楽しんでいます。

今回は、お店の2階にあるレストラン「薬都」で、コース料理の「健康膳」をいただきました。「健康膳」は薬膳の考えに基づき作られているコースで、おいしく健康に良い料理が一品ずつ出てくる、贅沢なランチコースです。
※上の写真は、お店の方のご厚意でまとめて出していただき撮影したものです。

席につくと、お店の方が「お品書き」を渡してくださいました。期待に胸が高鳴ります。

前菜は、食感が面白い「牛肉とくるみのしぐれ煮」です。牛肉とくるみがこんなに相性がよいとは知らず、驚きました。器に一緒に入っていた「干柿蕪包み柚みそ」という一品は干し柿、かぶ、いくらのそれぞれの甘味が口の中に広がり、やさしい気持ちになりました。
 

次にいただいたのは「牡蠣香草焼　煮大根紅ずわいあんかけ」です。紅ズワイガニの出汁のきいたあんかけが滋味あふれるおいしさで、箸で切れるほどやわらかく煮られた大根を別次元の味わいに演出していました。さらに、浮いている松の実がとても良いアクセントになっており、最後までおいしくいただけました。丁寧に焼かれた香ばしい牡蠣も絶品で、心も身体も喜んでいることを実感できます。

汁物の「高麗人参と鶏団子のスープ」は、丁寧に作られたことが伝わってくるスープでした。高麗人参を食べたのは初めてでしたが苦味は全くなく、おいしくいただけました。

メイン料理は豚肉を酒粕に漬け込み、包み焼きにした「純米酒粕漬け奉書包み焼」です。一番上に豚肉がのっており、下に季節の野菜（今回はにんじん、きのこ類、かぶ、たまねぎなど）がたっぷり入っていました。やわらかい豚肉はもちろん、そのうまみを吸い込んだ野菜が、とてもおいしかったです。

ご飯ものとしていただいた「黒米（くろごめ）の山菜おこわ」は、初めての黒米だけのご飯で、新鮮な驚きがありました。上に乗った野菜や山菜、卵と食べると、それぞれの食材のおいしさがより引き立ちました。一緒に食べた「香の物　陳皮入り」は陳皮、こんぶ、野菜そのもの素材のおいしさが掛け合わせられたお漬物でした。できることなら、毎日食べたいです。

一緒に飲んだ「野草茶」は、十薬、鳩麦、杜仲茶が入ったオリジナルブレンドのお茶です。とても飲みやすいブレンドになっており、この風味なら毎日飲めそうだと感じました。ちょうどよいタイミングでお店の方におかわりをいただけたのも、嬉しかったです。

最後にいただいたのは、日替わりの「特製デザート」。今回は「たんぽぽコーヒーのシフォンケーキ」と、「クコの実のアイス」でした。実は薬膳というコンセプトのもとで、ここまでおいしいアイスが食べられるとは想像していなかったので、とても感動しました。シフォンケーキはふわふわの生地で、口に入れるたびに、たんぽぽコーヒーの香りが静かに広がり、本当においしかったです。

「薬都」では、飲み物とのセット価格でお得にデザートをいただけるので、お茶とデザートのみの利用も良さそうです。ただし、オープン時間が11:30～14:00と限られているのでご注意ください。なお、飲み物は野草茶が10種類以上、ハーブティーが15種類以上あり、コーヒーや冷たい飲み物もあります。

「健康膳」は、お品書きにあった「漢方の考えを料理に生かし、旬産旬消を心がけています」という一文の意味を体現したコース料理でした。ジャズやクラシック音楽が流れるなか、それぞれのお客様が静かに食と向き合っていた店内は、まさに「味わう」ための空間でした。

なお、肉も魚も野菜もしっかり入っていたので、健康を意識したお食事にありがちなボリュームが足りない感じは皆無でした！
とても満足感が高いコースで、食後は心も身体も元気にになった感覚がありました。

レストラン「薬都」には要予約の「健康膳」の他に、予約なしでOKのランチメニューもあり、デザートやお茶のみの利用も可能ですので、ぜひ気軽に訪れてみてください。