そば処「利賀村」で楽しむ!心もお腹も満たされる本格そば打ち体験【そばの郷 うまいもん館 そば工房】
富山県のそばの名所、南砺市利賀村(なんとしとがむら)。ここでは、職人が作る本格手打ちそばが食べられるだけでなく、実際にそば打ちを体験することもできるのです!
利賀村在住の筆者が、そば打ち体験の真の魅力をお届けします。
秘境「利賀村」で体験する本格そば打ち
利賀村は昔からそばの産地として知られている、そば処。
朝夕の寒暖差がおいしいそばを生み出すそうで、利賀村の厳しい自然環境を活かしてそばを栽培し、村おこしにつなげてきた歴史がある。
近くに利賀川が流れ、自然豊かな環境にある「そばの郷 うまいもん館 そば工房」では、そば職人のおいしい手打ちそばが食べられるだけでなく、本格的なそば打ち体験ができる。
予約をすれば、1~50名まで体験可能ということで、カップルや友達同士から、修学旅行やインバウンドの観光客まで、多くの人がそば打ち体験をしに訪れている。
美しい山々に囲まれた秘境利賀村に、人々はどんな体験を求めてやってくるのだろうか。その魅力を探るべく、さっそく筆者もそば打ち体験を取材させてもらった。
利賀の自然を堪能できる開放的なそば打ち工房
そば打ち体験をするのは「うまいもん館」の横にある「そば工房」。工房内は大きなガラス窓で囲まれており、四季折々の自然を間近に感じながらそば打ちができる。
そば粉を混ぜ合わせるための大きな鉢や麺棒、独特な形の包丁などが並ぶ工房内は、体験時以外は地域のそば研究会のメンバーも修行を行う本格仕様。
これらの道具を使って、これからどんなふうにそばを打っていくのか、ワクワクしてしまう。
手洗いなどの身支度を整えて、さっそくそば打ちをスタート。そば打ち体験では、初心者でも扱いやすい二八そば(そば粉80%、小麦粉20%)が採用されている。
こちらのそば工房では、エプロンや三角巾の貸出も行っているので、手ぶらで行っても大丈夫なのも嬉しいポイントだ。
そば打ちでは、手順通りにするのはもちろん、ちょうどよい生地の硬さや薄さをとらえるために感覚を使うことがとても大切だそう。
そば粉と小麦粉をすばやく混ぜ合わせ、生地の具合をみながら、少しずつ水を加えていく。ここでは素早さがとても重要。のんびりしているとあっという間に生地がダマになってしまうのだという。
水を加えた生地を丁寧に練り上げていくと、もちもちとしたこぶし大の塊ができてくる。次はその生地を練り上げる工程。ここでしっかり力を入れて練ると、コシのあるおいしいそばになるそうだ。
粉をまぜる、こねる、のばす…なんだか子どものころに図工で粘土作品を作っていたころを思い出す。
ああでもない、こうでもない…と、自分なりに試行錯誤しながら生地と向き合っていくと、自分が作っているそばが愛らしく思えてくるから不思議だ。
生地を十分に練り上げたら、1m近くもある大きな麺棒を使って生地を薄く薄く伸ばしていく。お手本で見せてもらう職人の手元では、生地の上で麺棒がすーっとなめらかに滑り、とても美しい。
しかし、いざ自分でやってみると、力を入れすぎて生地がやぶれてしまい、なかなか思うようにいかないもの。職人に助けてもらいながら、なんとか生地を均一に伸ばしていく。
破けないようにそうっと折りたたんだら、いよいよそば打ちも最終段階。大きく重たいそば切り包丁を手に取り、細いそばになるように切り分けていく。重たい包丁はなかなか手になじまず「これはうどんか?!」というほどの太い麺になることも…
それでもなんとか全ての生地を切り終わった頃には、あっという間に1時間が経過していた。
手打ちそばを、いざ実食!
そば打ち体験で作ったそばは、そのあとすぐに「うまいもん館」で茹でてもらい、試食ができる。
待ちに待った、我がそばとのご対面!
太いのは、はじめのほうに切ったやつ。
ちょっと細いのは、慣れてきたころのかな?
ちょうどいいのは、たぶんお手本で切ってもらったところ。
なんて、さっきまでの体験の記憶をたどりながら食べられるのも、体験直後の実食の醍醐味かもしれない。そば打ち素人が打った麺でも、やっぱり打ち立て茹でたてのそばは格別だ。
思い出に浸りながら食べていたら、あっという間にそばがなくなってしまった。
自分が打ったそば以外にも、利賀の伝統的な堅豆腐や、岩魚のから揚げなど「うまいもん館」の絶品料理を注文することもできる。
そば粉を使った自家製デザートも多数あり、食後のデザートまで十分に楽しめる。
心もお腹も満たされる充実のそば打ち体験
「うまいもん館」での試食と食事を終え、心もお腹も大満足。利賀の美しい景色を見ながら、川のせせらぎや秋の虫の声などを聴く、心静かな空間。その中で実際に自分の手を動かし、感触を頼りにそばを打つ。
そばのおいしさだけでなく、そういった五感を満足させられるのが、まさに利賀村でそば打ち体験をする醍醐味ではないだろうか。
夏休みの親子活動や自由研究、企業研修や大学の授業の一環など、利賀という場所での体験を求めて、多くの人々が訪れる。
また最近では、日本の文化を体験したいと、外国からの観光客の方も増えているそうだ。
一人でそば打ちに没頭するもよし、大人数でわいわいと楽しむもよし。雄大な自然の中で心を開いて、素直にそば打ちに没頭する。
心もお腹も満たされる、特別な時間を過ごせることは間違いなしだろう。
利賀村「そばの郷 うまいもん館 そば工房」
職人の本格そば打ちが堪能できる「そばの郷 うまいもん館 そば工房」。
そば粉を100%使用した十割そばが食べられるだけでなく、岩魚の唐揚げや山菜など、利賀の豊かな食材をふんだんに味わえるメニューがそろっている。
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