新湊でカニづくし‼漁港の昼セリ見学&かに小屋で味わう高志の紅ガニ(富山県射水市)
新湊漁港では全国的にも珍しい「昼セリ」が行われています。昼の競りの主役は紅ズワイガニ(高志の紅ガニ)。床一面が紅色に埋め尽くされ、圧巻の光景が広がっています。漁港には競りの様子を見学する通路が整備されていて、鮮度抜群の紅ズワイガニが次から次へと競り落とされていく様子を2階から眺めることができます。また漁港のすぐ近くには紅ズワイガニを食べられる「新湊かに小屋」があり、茹でたてを口に運べばホカホカのおいしさに魅了されるでしょう。見て、食べて、旬のおいしさを余すことなく堪能してください。
今シーズンは、2024年9月14日(土)より営業再開しました!
「新湊きっときと市場」で「昼セリ見学」の受付
9月1日に紅ズワイ漁が解禁になると、新湊漁港で「昼セリ見学」が始まり「新湊かに小屋」が実施する食事付きのツアーがスタートします。最初に訪れたのは集合場所の「新湊きっときと市場」。三角の屋根に大きな紅ズワイガニの看板が取り付けられていることもあり、紅ズワイガニが自慢の町であることが一目で伝わってきますね。インフォメーションカウンターで受付を済ませたら、競りが行われる新湊漁港へ移動します。漁港東側にある見学者専用の階段をのぼって、2階の見学通路へと向かいましょう。
※悪天候で昼セリが中止になることもあるので、心配な場合は実施の状況を当日の9:00以降に「新湊きっときと市場」に確認してください。
新湊漁港に到着、昼セリがもうすぐスタート
昼セリが始まるのは12:30からですが、見学の通路には12:00から入場できます。競り場の様子を見下ろすと、水揚げされたばかりの紅ズワイガニを腹を上にして1杯ずつ並べる人たちの姿が目に入るでしょう。
漁港の床に紅ズワイガニを並べているのは漁船の船長さんや乗組員さん。紅ズワイガニは腹の部分に旨味エキスが詰まっているので、一滴も逃さないために新湊漁港では仰向け(腹側を上)にして並べています。また氷をたっぷりと置くのは、鮮度を保つためです。新湊の紅ズワイガニのおいしさは、漁師さんたちの丁寧な作業によって守られていました。漁港の買参権を持つ人(仲卸業者)たちは、並んだそばから紅ズワイガニの目利きを始めます。一面に紅ズワイガニが敷き詰められた様子は、紅色の絨毯に例えられていますよ。
Column
富山県産の紅ズワイガニの愛称「高志の紅ガニ」
富山県産の紅ズワイガニには「高志の紅ガニ(こしのあかガニ)」という愛称が付けられています。もともと漁師さんたちが茹でる前から赤いことから、紅ズワイガニのことを「アカガニ」と呼んでいたことに由来し、富山県にゆかりのある地名「高志」と漁師さんや漁業関係者たちの「高い志」を重ねてこの名前が付きました。なかでも一定の大きさや重さなどの規格や条件を満たす優れた紅ズワイガニは、「極上 高志の紅ガニ」というタグを付けられて取り引きされています。
12:30!いよいよ昼セリがスタート
12:30になると、漁港内に鐘が鳴り響き競りがスタートします。新湊漁港では一度に20杯の紅ズワイガニが競りにかかるそうで、買参権を持つ人は自分が買いたい紅ズワイガニが競りにかかると手と声をあげて競り落とします。漁港の床一面に並んだ紅ズワイガニがあっという間に競り落とされる様子は、見ていて圧倒されます。競り人が何と言って声を出しているかや、いつのタイミングで競り落とされているかなどは、見ているうちに何となく分かってくるはず。競り落とされた紅ズワイガニは、鮮度が命とばかりに仲卸業者が素早くカゴに入れて漁港から運び出します。紅ズワイガニの競りが終わると、底引き漁で揚がった魚介や、ズワイガニの競りに移ります。
なぜ新湊では昼セリが行われているの?
そもそも魚の競りといえば早朝が定番。それにもかかわらず新湊漁港では、朝と昼の1日2回競りが実施されています。現在、新湊漁港から出航する紅ズワイガニ漁の船は5隻で、どの船も午前0時に漁港を出ます。漁場は沖合い約10㎞ほどになり、到着すると仕掛けにかかった紅ズワイガニを水揚げしています。紅ズワイガニが生息しているのは水深800〜1,400mほどの地点だそうで、翌日分の仕掛けを海底へ沈めて漁港に引き返します。水揚げした紅ズワイガニを船から下ろしたり漁港に並べたりして、競りが始まるのがちょうど12時30分ごろになります。鮮度の高いうちに競りを行うために、昼も競りが行われているのです。
「新湊きっときと市場」でショッピングとひと休み
「新湊きっときと市場」は、魚屋や飲食店、お土産処、カフェなどがある複合施設です。先ほどまで漁港で競りにかけられていた紅ズワイガニが、もう魚屋さんの店頭に並んでいました。お土産処にはご当地ならではのシロエビソフトクリームが売っていたので食べてみたら、バニラの甘さの中に、シロエビのやさしい風味が漂っていました。
新湊漁港から徒歩2分「新湊かに小屋」へ行こう!
新湊漁港から歩いて2分の場所にある「新湊かに小屋」へ向かいましょう。ここは新湊漁港の買参権を持つ「鷲北水産」が運営するお店で、茹でたての紅ズワイガニが丸ごと一杯味わえます。倉庫を改装したという建物は、漁師さんたちが休憩する番屋のような雰囲気になっていて、ビールや日本酒のケースをテーブルや椅子に使い、壁には「鷲北水産」が新しい船を造ったときにお祝いに贈ってもらったという大漁旗が掲げられています。大漁旗は船が帰港するときに豊漁であることを願って作られる縁起物で、漁業の無事を願う存在でもあります。漁師町の普段通りの雰囲気が、心地いい空間。紅ズワイガニが茹で上がるのを待ちましょう。
紅ズワイガニを茹で続けて40年の職人さん
紅ズワイガニを茹でているのは、この道40年という職人さん。「新湊かに小屋」では茹で上がってすぐに食べてもらうために、お客さんが到着する時間に合わせて茹で始めるそうです。茹でるといっても塩加減や茹で時間はその日の紅ズワイガニの状態によって違うため、細かな調整は鍋の様子を見ながら決めていくとのこと。厨房はお客さんからも見えるようになっていて、職人さんたちのいる場所はグツグツと煮えたつ蒸気で真っ白。釜の蓋が開くと、もともと紅色だった紅ズワイガニの色合いが、より鮮やかになっていることにも驚きます。
おいしい食べ方を確認していると、紅ズワイガニが茹で上がった
お店に掲示してある「おいしい食べ方の一例」を見て、紅ズワイガニの魅力を余すことなく食べ尽くす方法をチェックしていると、スタッフさんが白い湯気を上げた紅ズワイガニを運んできてくれました。新湊漁港に並んでいたときと同じように、旨みエキスを逃がさないため皿の上に仰向けに置かれています!
間近で見ると、甲羅の中においしさが詰まっているのが伝わってきます。「新湊かに小屋」で働くスタッフさんは地元の人ばかりで、紅ズワイガニの扱いにも慣れている方ばかり。殻から身が上手く外せなかったら、丁寧に教えてくれます。さあ、ハサミとカニ用のフォークを使って、いただきましょう。
紅ズワイガニのジューシーさと甘さが口福を呼ぶ
難しそうに感じていた紅ズワイガニの食べ方も、手順通りにやれば簡単にできます。甲羅から左右の脚を外し、ハサミで脚を一本ずつ切って殻を割ると、スルスルとカニ身が出てきました。口に運ぶと、思わず笑顔になるほど甘みが強く、身のボリュームにも大感動。ジューシーな旨みがカニ身の中から溢れ出してくるようです。そして熟練の職人さんの塩加減も絶妙で、この道40年の凄さを思い知らされます。
カニ味噌のおいしさに、思わずニンマリ
殻から出てこなかった身は、ハサミを使ったり専用フォークで掻き出したりしながら、食べ進めます。甲羅の中の味噌を食べるときに、カニ身を浸けたり、ほぐした身を入れたりして食べるのもおすすめの食べ方です。濃厚なカニ味噌はコクが強くて、おいしい余韻がずっと残る極上の味わい。
甲羅の中の味噌は、一滴も残さず飲み干したくなるような美味しさです。「新湊かに小屋」には、昼セリ見学と紅ズワイガニ(高志の紅ガニ)1杯付きのプラン以外にも、紅ズワイガニの60分食べ放題プラン、漁師鍋がセットになったプランも用意されています。海辺の町で周辺観光を楽しみながら、おいしい紅ズワイガニを食べに新湊を訪れましょう。
お申込み方法
新湊漁港での「昼セリ見学」や「新湊かに小屋」のプランは、下記よりご予約いただけます。