高岡×富山アート& クラフト
[富山旅10to5]高岡駅からはじまる7時間の旅
あいの風とやま鉄道で20分弱で結ばれている高岡駅と富山駅。「アート&クラフト」「アーキテクチャ」という共通テーマで2つのまちをめぐれば、多様で厚みのある体験ができます。
高岡では重要伝統的建造物群保存地区に登録された「山町筋」「金屋町」を訪れ、
富山では「富山県美術館」「富山市ガラス美術館」をはしごし、薬の富山・越中反魂丹でおなじみの「池田屋安兵衛商店」を訪れましょう。
山町筋「土蔵造りの町並み」(重要伝統的建造物群保存地区)
レトロ建築好きなら外せないのが「山町筋」です。高岡駅から歩いて行くこともできますが、せっかくなので路面電車「万葉線」に乗って向かいます。電車から眺める街並みは、徒歩とは一味違った景色を楽しめます。
山町筋は江戸時代に商都として栄えたエリアです。明治後期の大火後に建てられた土蔵造りの建物が並ぶ中に大正時代に建てられた赤レンガの銀行が彩りを添え、特色ある歴史的景観が広がっています。最近は古い商家をリノベーションした複合商業施設が誕生し、賑わいが生まれています。
金屋町「千本格子の家並み」(重要伝統的建造物群保存地区)
千本格子の家並みと石畳が誘う鋳物クラフトのまち
山町筋から千保川を超えると、町家が連なる「金屋町」です。
高岡城に入城した前田利長が7名の鋳物師を招き鋳物場をひらいた場所で、千本格子の家々が建ち並ぶ中に鋳物の工房やギャラリーが点在します。路地のあちこちから銅製の風鈴の澄んだ音が聞こえてくるのも風情があります。
余韻に浸りながら高岡駅に戻り、富山駅へと移動しましょう。
富山県美術館
上質なアートと美しい風景のある美術館
「富山県美術館」は、アート&デザインを謳う美術館として2017年、富岩運河環水公園の敷地内に開館し、世界的コレクションを新しい切り口やテーマ、見せ方で紹介しています。
富山の美しい風景を取り込んだ建築設計は内藤廣氏。「オノマトペの屋上」と名づけられた屋上庭園にもぜひ足を運んでみて。オノマトペから考えられた遊具の数々が、大人の遊びごころをくすぐります。
※オノマトペの屋上は冬季休園いたします。
富山市ガラス美術館
「ガラスの街とやま」を発信する美しき拠点
次の目的地は、富山の中心市街地にある「富山市ガラス美術館」です。光を反射してキラキラ輝くファサードが目印です。設計を手がけたのは世界的建築家の隈研吾氏。足を踏み入れると、明るく開放感あふれる吹き抜けに圧倒されます。
6階「グラス・アート・ガーデン」では、現代ガラス美術の巨匠デイル・チフーリ氏のインスタレーション作品を展示しており、幻想的な異空間が広がっています。
池田屋安兵衛商店
くすりのまち富山の老舗薬屋さん
旅の終わりは伝統的な建築&伝統産業でしめくくりましょう。「池田屋安兵衛商店」は戦後まもなく薬の製造を始め、江戸時代に一世を風靡した「越中反魂丹」を現代に通用する和漢薬として復活させました。現在も日本の伝統薬を中心に、和漢薬の世界を追求しています。白壁土蔵造りが目を引く店舗は、中心市街地で最も古い木造建築のひとつ。フォトスポットとしても人気を集めています。