農家直営レストラン・体験施設3選!【Lifetime】【メルヘン工房】【私と苺】-1

農家直営レストラン・体験施設3選!【Lifetime】【メルヘン工房】【私と苺】

富山県内の農家の中には、農産物の生産のみにとどまらず、自らが育てた農産物を基にレストランやカルチャー教室、観光農園を運営するなど、多角的に展開して付加価値を高めている経営者もいます。生産者が生産物の加工や製造、販売やサービスまでを一貫して実施する取り組みは「6次産業化」と呼ばれ、所得の向上や雇用の確保、地域振興が期待されます。6次産業に注力し、人気を集める農家直営の3施設を紹介します。

【立山町・Lifetime】繁殖を終えた立山放牧牛を使った人気のレストラン

立山町のレストラン「Lifetime(ライフタイム)」は、立山放牧牛の繁殖農家である柏泰誠さんが2017年に開業しました。繁殖農家は母牛の飼育から子牛を生産するまでが主業で、子牛を産み役目を終えた母牛は別の業者に引き取られ、新たな牛と入れ替わります。自然の中で放牧し丹精して育てた母牛には思い入れがあり、最後まで面倒を見たいと考え、その牛を使ったレストランを創業しました。肉そのものの味が強い母牛の特徴を活かした料理が評判で、連日女性グループや親子連れでにぎわっています。同店でランチメニューを実食しました。

店内に入ると、アンティークな調度品や壁掛けなどが味わい深く、アメリカ南部の農家に来たかのような雰囲気を生み出しています。座席はテーブルと小上がりがあり、小上がりには子ども用の椅子も用意されているので、親子も安心して利用できます。

メニューから「ライフタイムランチ」と「ライフタイムステーキランチ」をそれぞれ注文しました。ライフタイムランチは、ローストビーフとハンバーグが一度に楽しめます。一つの皿に赤身鮮やかなローストビーフに手ごねハンバーグ、カボチャやカブ、ズッキーニといった焼き野菜、ポテトサラダに生野菜、ピクルス、肉の小鉢が盛られています。それにスープ、自家製カンパーニュまたは雑穀米が付きます。写真をつい撮ってしまうほど色合いが良く、見ているだけでウキウキします。ローストビーフは肉のしっかりとした赤身の味と歯ごたえがたまりません。ハンバーグも肉肉しい食感とソースが合わさり、絶妙な味わいです。

ステーキランチは、ソースや塩など好みに合わせ付けて食します。濃厚な肉のうま味が噛みしめるほどにじわじわと口の中に広がっていきます。
全体的に素材そのものの味を活かすあっさりとした味付けで、野菜も多く取り入れられており、バランスが良く健康的なのが人気の秘訣だと感じました。金、土曜日は夜も営業し、シャトーブリアンやサーロインなどのステーキを味わえるので、次回はそちらも満喫してみたいです。

【立山町・Lifetime】店舗情報

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住所:富山県中新川郡立山町前沢3082-12
TEL:076-461-7411
ランチ営業:火~金曜日11:30~13:30
ディナー営業:金、土曜日18:00~21:30
定休日:日・月曜日

【小矢部市・メルヘン工房(田中園芸)】バラ農家直伝のフラワーアレンジメントに初挑戦!

富山県内最大のバラ生産量を誇る小矢部市。同市のバラ農園「メルヘン工房(田中園芸)」では、毎月定期的にフラワーアレンジメント教室を開催しており、常連客がいるほど人気を集めています。同農園では約50年前からバラを温室栽培し、4棟のガラス温室で約15品種を育て年間13万本出荷しています。もっとバラに親しんでもらおうと、1993年からフラワーアレンジメント教室を始めました。教室参加者の9割は女性とのことでしたが、中年男性の筆者も生まれて初めてのアレンジメントに挑戦しました。

教室では、メルヘン工房の田中みさとさんが講師となり、お手本のアレンジメントを見せながら製作のポイントについて説明後、作業に取り掛かりました。まずはメインとなるピンクのバラの長さに合わせ、他の花や植物のサイズを決めて裁断します。次に給水スポンジの中央にバラを配置し、そこから円を描くように角度を付けながらガーベラやラナンキュラスなどの花を挿し入れます。どこから見ても全体が丸く正面を向いているような形となるよう製作を進めていきます。

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常連客からアドバイスを受けながら見よう見まねで挿していきますが、不器用な性分もあって中々思うようにならず、土手に生い茂る野花のような野暮ったい作品が出来上がってしまいました。自分には美的センスがない、と落ち込みかけましたが、田中さんに手直ししてもらって、見栄えの良い作品になりました。

作品を勤務先の来店カウンターに飾ってみると、アレンジメントがいつもの風景に彩りと華やかさを与え、明るい雰囲気に様変わり。日常生活を生き生きとさせる花の魅力に改めて気付いた瞬間でした。
体験教室はフラワーアレンジメントのほか、バラを使ったアロマワックスやハーバリウム製作など時期によって内容を変えています。また、開催日以外にも出張教室や団体での受け入れもしています。上品なバラの香りに包まれながらの製作体験は、心身ともに充実した楽しいひと時となるでしょう。

【小矢部市・メルヘン工房(田中園芸)】店舗情報

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住所:富山県小矢部市北一327-2
教室開催日:毎月第4土曜日14:00~15:30
予約はホームページの「お問合せページ」より受付
体験料金:2,500円

【砺波市・私と苺】新鮮で濃厚な甘さのイチゴ摘み体験!年間6500人が訪れる観光農園&カフェ

砺波市の農事組合法人「ガイアとなみ(中島一利代表理事)」では、2016年に栽培品目を花きからイチゴに転換、それから3年後にイチゴ摘みの観光農園を始めました。さらに2021年に「私と苺」というブランドを立ち上げ、ジャムなどの加工品販売やカフェの経営にも乗り出すなど、イチゴを柱にした多角的な経営に取り組んでいます。年間約6500人が来場するイチゴ摘みを体験しました。

2025年のイチゴ摘みは2月2日~5月31日までの土日祝日に開催予定です。9:30~12:00まで30分ごとの計6回設けられ、40分間食べ放題となっています。完全予約制で、当日は直売所の受付で料金を支払った後、イチゴを入れるトレイを受け取り、温室ハウスへ向かいます。係員から摘み方のコツや美味しいイチゴの見つけ方、注意事項などが説明された後、一斉に体験を開始します。長い列に連なって栽培されたイチゴから美味しいものを見つけ、その場で摘み取り味わいます。宝探しのようなワクワク感と、もぎたてたばかりのイチゴとの甘酸っぱい出会いは、体験ならではの醍醐味ですよね。

今回の体験はシーズン営業開始一週間前の冬で、「紅ほっぺ」、「あきひめ」、「恋みのり」の3品種が摘み取りの対象でした。冬は日照時間が少ないことから、通常の30日よりも長い50日程度をかけてじっくりと育てています。そのぶん味が濃厚になり、サイズも大きくなるのだそう。きれいな形よりも、いびつな形の方が美味しいとのことで探し回り、まずは一番人気の「紅ほっぺ」を口にしました。

口の中にイチゴの水分があふれ、濃厚な甘みを感じた後には爽快な酸味が駆け抜けていきました。甘みと酸味のバランスが良く、何個でも食べてしまいそう。続いての「あきひめ」は柔らかい口当たりで甘みが一段と強く、「恋みのり」は一粒が大きめでしっかりとした食感でした。食べ比べや練乳を加えて味の変化を楽しみ、春の息吹を感じながらのイチゴ摘みを満喫できました。

体験後は2024年に新築された直売所兼カフェでイチゴのスムージーをいただきました。目が覚めるほどの新鮮な味わいで、スムージーの紅色とクリームの色合いがオシャレに映えており、女性受けしそうな一品。このほかイチゴが器いっぱいに敷き詰められたパフェなどもあり、体験の後やカフェのみの利用もおすすめです。

【砺波市・私と苺】店舗情報

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住所:富山県砺波市狐島308-1
TEL:0763-58-5988
≪2025年イチゴ摘み体験≫
開催予定日:2月2日~5月31日までの土日祝日(ほか、不定期開催)
①9:30~②10:00~③10:30~④11:00~⑤11:30~⑥12:00
40分間食べ放題
料金:大人1,900~2,800円
   小学生1,500~2,300円
   幼児800~1,200円
   2歳以下無料
※体験時期によって変動
予約受付TEL:0763-33-2805(月~金曜日8:00~16:00)
 

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