はじめての立山黒部アルペンルート! 室堂平で雲上散策
立山黒部アルペンルートは世界的にも有名な山岳観光が楽しめるルートで、立山登山や室堂平の散策の拠点となるのが、標高2,450mに位置する室堂ターミナルです。電鉄富山駅から地鉄電車と立山ケーブルカー、立山高原バスを乗り継ぎ、公共交通機関だけで訪れることができるのが大きな魅力です。また四季を通じて特徴があり、春は雪、夏は新緑、秋は紅葉など季節ごとの魅力があり、いつ訪れても楽しむことができます。室堂平は標高2,450mに位置するアルペンルートの中心地的な観光拠点です。遊歩道が整備されている場所が多く、山登りや山歩きの経験がない人も気軽に散策を楽しめます。今回の室堂特集では、初めての人でも手軽に楽しむことができる山岳観光の魅力、動植物や景色、グルメなどを満喫する雲上観光をご紹介します!
室堂の気温の推移
立山黒部アルペンルートの室堂は、標高2,450mにあることから平地とは気候が違います。気温の推移を散策や服装の目安にしてください。平地に比べると気温の変化も大きく、状況に合わせた調整ができるよう心掛けをお願いいたします。
※気温は、その年やその日によっても大きく変わります。気象情報を確認するなどしてお出かけください。
服装のアドバイス
立山黒部アルペンルートを満喫するには、季節に応じた服装や装備も大切です。また、天候や気温の変化が激しいので、防水タイプの防寒着はどの季節も必携品となります。雨具などの利用は、天候や混雑状況などの状況をみながらご利用を心がけてください。
立山黒部アルペンルートが開通してすぐの室堂平周辺は、高い雪壁の間を歩く「雪の大谷ウォーク」が人気を集めています。真冬のような気温で吹雪く日もありますが、しかし、散策で汗をかくことも多いので、ニットよりもフリースやダウンの入った素材の服を装備に選んでください。上着も着脱しやすいものがいいでしょう。晴れた日は雪の反射が強く、サングラスがあると良いです。雪上散策をするので、靴はスニーカーよりもスノーブーツやレインブーツ、トレッキングシューズが良さそうです。※アルペンルートの開通は4月中旬になります。
避暑に絶好のシーズンで、10〜20℃台の気温の日が続きます。高山植物を楽しむにはもってこいの時期です。子育て中のライチョウに出会えることもあります。下界では半袖・短パンの季節ですが、紫外線が強いので肌にダメージを受けてしまいます。できるだけ通気性がよく汗が乾きやすい素材で、肌の露出を少なくした服装がおすすめです。お盆を過ぎると涼しい日が増え、朝晩の寒暖差が大きくなります。
気温が10℃前後になり、紅葉が美しい季節になります。肌寒く感じることが多いので、厚手の服装でさらに上から羽織れるものも用意しておきましょう。手袋や靴下も保温性の高い素材のものを選ぶといいでしょう。雪が降る日が増え、10月後半以降は必ず降るという気持ちで訪れてください。
Column
11月の室堂平
冬山ファンには待望のウィンタースポーツのシーズンが到来。室堂周辺は雪に覆われて視界が悪くなり、冬山用の装備が必要です。
山岳警備隊員さんに聞きました!
立山の安全を守る山岳警備隊員さんは、山での事故を防ぐためにパトロールや山岳救助を行なっています。石黒竜大巡査部長に、室堂平周辺での散策についてアドバイスしてもらいました。
散策に出るときに気をつけたいことはありますか?
石黒さん
室堂ターミナルは標高2,450mにあり、バスで一気に標高の高い場所に来るので、身体に大きな負担がかかってしまいます。高山病を防ぐためにも、到着してすぐに登山や散策に出かけるのではなく、少し身体を休ませてから動き出してください。また、室堂ターミナルの階段の踊り場に掲示してある山岳情報を確認してから出かけましょう。
初めての人でも散策を楽しむためのコツはありますか?
石黒さん
室堂平の遊歩道には木のベンチがいくつも設置してあるので、疲れを感じたら休憩して体力を回復させてください。ベンチに腰掛けて周りの景色を見たり、風を浴びたりするだけで、身体も心も休まります。エネルギー切れを起こさないように、こまめにチョコなどを食べるのがいいですね。また、水分を摂るのも忘れないようにしましょう。
Column
コインロッカーの利用
室堂ターミナルの1Fと、立山駅の1Fにはコインロッカーが用意されています。室堂周辺の散策に必要のない荷物はあらかじめコインロッカーに預けて、身軽な状態でフィールドに出るのがおすすめです。また、室堂ターミナルは1F、2F、屋上のすべてにトイレが完備されています。
詳しくはこちら山岳警備隊員さんがおすすめする、室堂平の散策ルート
スニーカーなどカジュアルな服装でも散策することができるおすすめのルートを伺いました。
●室堂山荘方面
「室堂山荘」の近くまではほとんど平坦な道のりなので、北アルプスの雄大な山々を望み、高山植物に癒されながら心地いい散策が楽しめます。「室堂山荘」のすぐそばには、国指定重要文化財になっている日本最古の山小屋「立山室堂」があり、立山信仰やかつての登山の歴史を伝えています。
●みくりが池方面
みくりが池は、室堂平のシンボル的存在です。室堂ターミナルから歩いて7~8分で紺碧の美しい水を湛えた湖面が目に入ってきます。池のそばの遊歩道を進むと「みくりが池温泉」があり、立ち寄り入浴や食事、展望台での休憩におすすめです。道はしっかり整備されているので、デニムやスニーカーなどカジュアルな服装でも散策することができます。温泉で引き返すこともできますが、ミドリガ池方面に行き、みくりが池の周りを一周するコースを歩くのもいいでしょう。
立山自然保護センター
『立山自然保護センター』は立山の豊かな自然を紹介する施設で、館内ではライチョウを中心とした生き物たちや、室堂平に100種類以上も生息する高山植物、周辺の見どころなども知ることができます。また、ハイビジョン映像とジオラマを使って、季節ごとの景色や起伏に富んだ地形もわかりやすく伝えており、天候の回復を待つ間の人気の立ち寄りスポットにもなっています。ナチュラリストが室堂平周辺や弥陀ヶ原の自然を紹介する、個人向けのツアー(無料、予約不要)の受付もこちらでどうぞ。
自然観察ツアー
自然観察ツアーの解説を行うのは、富山県が認定するナチュラリストの皆さんです。自然観察ツアーでは動植物のことだけでなく、地形や歴史など立山にまつわるさまざまな話をしてくださいます。毎年ゴールデンウィーク頃から10月初旬頃までツアーが実施されています。
室堂周辺グルメ情報
室堂周辺には飲食できる場所がいくつもあるので、昼食を用意せずに気軽に出かけることができます。それぞれのお店に名物メニューがあるので、立山黒部アルペンルートを訪れた際は、ぜひ味わってみてください。
<室堂ターミナル>
●立山そば
短時間でさっとお腹を満たしたい人には、立ち食いの『立山そば』がおすすめです。寒い季節は、身体を芯まで温めてくれるでしょう。富山名産の白えびのかき揚げをのせたそばがおすすめです。
<室堂ターミナル>
●味覚コーナー
郵便局の横にある『味覚コーナー』には、玉殿の湧水を使ったコーヒー、骨なしチキンやフライドポテトなどのスナック類があります。一番人気は「プリンソフトバニラ」です。甘さが疲れを癒してくれます。
<ホテル立山>
●ティーラウンジりんどう
黒部ダムの放水に見立てた「黒部ダムシフォン」は、ライチョウクッキー付き。高岡銅器のカップに注がれる水出しアイスコーヒーをセットにできます。「ローストビーフランチ」が女性に好評です。
<みくりが池温泉>
●レストラン
日帰り客は11時から14時までレストランを利用できます。和食の料理人が、白えびやゲンゲ、ホタルイカといった富山湾の幸を使ったメニューを作っています。
●喫茶みくり
「手作りレアチーズケーキ」は、30年以上前から作るロングセラーです。ほかにも、登場したばかりの「エンマ様のホットピザ」は、オリジナルの辛いソースでカスタムしながら味わいましょう。
山のプロに聞いたおすすめビューポイント
●富山県警察山岳警備隊員 石黒竜大巡査部長
室堂平はほとんどの場所から山の稜線が見えます。どこから眺めても、美しく心惹かれます。
●みくりが池温泉 古俣拓郎さん
みくりが池温泉の横にある展望デッキから望む、富山平野や雲海が素晴らしいです。
交通アクセス
●富山駅から
富山地方鉄道「電鉄富山駅」から立山線に乗車して終点の「立山駅」で下車。「立山駅」から立山ケーブルカー(7分)に乗車、「美女平」から立山高原バス(50分)に乗車すれば、「室堂ターミナル」に到着します。
Column
立山黒部アルペンルートWEB切符
6つの乗り物を乗り継ぐ立山黒部アルペンルートの利用には、日付を選んで乗車券を予約できるWEB切符の利用がおすすめです。乗車当日に発券機で切符を受け取れます。
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