【うみとやま】町全体で、クラフトを感じる。高岡で一日弟子入り体験-1

町全体で、クラフトを感じる。
高岡で一日弟子入り体験

ここ高岡は、約400年の歴史をもつ日本でつくられる銅器の一大生産地です。時代とともに発展してきた鋳物の技術を使って、さまざまな金属加工品が生み出される、クラフトの町に出かけましょう。

7人の鋳物師からはじまった 高岡のものづくり

高岡のものづくり(鋳物)は、約400年前、加賀前田家2代当主・前田利長が町づくりにあたり金屋町に7人の鋳物師(いもじ)を招いたのがはじまりと言われています。当初は鍋・釡などの日用品や鋤(すき)・鍬(くわ)などの農具をつくっていましたが、時代のニーズに合わせてさまざまな製品をつくるようになり、いつしか高岡は鋳物の町として大きく発展していきました。



400余年が経ったいまも、高岡は鋳物生産において国内トップシェアを誇ります。仏具や茶道具といった小型のものから、銅像や梵鐘(ぼんしょう)といった大型のもの、さらには現代の感性が融合したデザイン性の高い工芸品まで。その技術は、国内外から大きな注目を集めています。

町のあちこちにある工場・工房では、見学・体験ツアーを行っているところもあります。伝統と革新が共存するものづくりの現場を間近で見て、体験して、高岡のおもしろさを発見してみませんか?

やわらかな錫のきらめきを、楽しむ

高岡では銅合金だけでなく、アルミや鉄など、さまざまな金属素材の製品がつくられています。なかでも錫(すず)の鋳物で注目を集めているのが「能作」です。錫のやわらかさを利用した曲がる器「KAGO」シリーズなど、錫ならではのデザイン性と機能性を兼ね備えた製品は、世界で評価されています。



本社工場では工場見学や鋳物製作体験ができるほか、ショップやカフェも併設されていて、富山を代表する産業観光スポットとなっています。2階から工場全体を眺めることができる「自由見学通路」もあり、活気あふれるものづくりの現場を見ることができます。また、無料の常設展示「ものことこころ展」では、鋳物や能作の歴史、製品・素材、製造技術や職人の想いを楽しめます。



鋳物製作体験では、砂を使った鋳型の製作から、やすりによる仕上げまで、職人と同じ工程で本格的な鋳物づくりを体験できます。一番人気のアイテムは「ぐい呑」。自分でつくったぐい呑で味わう日本酒は格別。錫の器は口当たりがまろやかになると言われており、いつものお酒がもっと美味しく感じられますよ。

伝統的な着色技法から生み出されるカラーマジック

昭和25年に折井着色所として創業以来、さまざまな鋳造品の着色を手がけてきた「モメンタムファクトリー・Orii」。「着色」とは薬品を塗ったり火で熱したりすることで、銅や真鍮に化学変化を起こし、あざやかに発色させる伝統技術のこと。



本社工場では、着色の技術を体験できます。煮たり、焼いたり、こすったりして起こる色の変化は、まるで魔法をかけたかのよう。世界中どこにもない、自分だけの色と模様に仕上がります。



本社工場ショールームでは花器やテーブルウェアなどのオリジナルプロダクトを買うこともできます。クールでありながらどこか温もりも感じる独特の風合いは、どんな空間にも不思議と馴染んでくれますよ。自分用にはもちろん、お土産や贈り物にもおすすめです。

自分だけのアクセサリーを手づくりしよう

高岡鋳物発祥の地でもある高岡市金屋町。その千本格子の風情ある家並みにたたずむ「大寺幸八郎商店」は、現在は鋳物の製造卸を営むほか、自宅をショップ・ギャラリーとして開放。1860年の創業当時は鋳物工場だった建物は雰囲気満点で、オリジナル商品のほか、地元作家や若いデザイナーの作品も手にとることができます。



アクセサリー体験では、錫を使ってネックレスやピアス、キーホルダーなどのオリジナルアクセサリーをつくることができます。つくりたい形をイメージしながら錫をつぶしたり、金槌でトントンと叩いたり、曲げてみたり。やわらかい不思議な錫の質感を、肌で感じられます。



完成後はそのまま持ち帰ることができるのもうれしいポイント。シンプルかつ上品で、シーンを問わずに活躍しそうなアクセサリー。錫のきらめきが顔まわりを華やかにしてくれますよ。みなさんも旅の記念に、オリジナルアクセサリーをつくってみてはいかがでしょうか。

※2021年9月21日時点の情報です。新型コロナウイルス感染症の影響により、営業日や営業時間の変更などが想定されます。最新の情報は公式サイトをご覧いただくか、施設等に直接お問い合わせください。

※価格は特記事項のない限り税込みで表記しております。


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