ヒスイ海岸で名人と宝ものさがし&ソウルフードタラ汁づくり体験(富山県朝日町)-1

ヒスイ海岸で名人と宝ものさがし&ソウルフードタラ汁づくり体験(富山県朝日町)

富山県の最も東側にある朝日町のヒスイ海岸は、天然の宝石であるヒスイが打ち上げられることで有名な場所です。誰もが自由に海岸でヒスイを拾えますが、地元にはヒスイ探しの名人もおり、レクチャーを受けながら一緒に宝物探しができるツアーもあります。ツアーに申し込めば、地元のお母さんに教わりながら郷土料理のタラ汁を作ることもでき、思い出も倍増します。素朴で飾らない地元の人たちの温かさに触れ、思い出深い時間を過ごしましょう。

「ヒスイテラス」で、ヒスイ探しのポイントを教わる

あいの風とやま鉄道 越中宮崎駅の目の前にある「ヒスイテラス」に到着すると、ヒスイ探しの案内人の扇谷さんが迎えてくれました。扇谷さんは「ヒスイテラス」を管理する「ひすい恵みの会」の会長で、60年も前からヒスイを収集している名人です。「60年前はヒスイという言葉も知らなくて、ただ綺麗な石だなと思って拾ってたんだよ」と話します。海岸に出る前に、まずは館内でヒスイ探しのポイントを伝授してもらいます。一口にヒスイといってもさまざまで、パッと思い浮かぶグリーン系の石だけではなく、紫や白、黒っぽいヒスイもあるそうで見分けるのが難しそう。さらに、他にもいろんな種類の石がヒスイ海岸に打ち上げられるようです。
「ライトを灯すと、光を通すでしょ」と言って、ヒスイの特徴と探すポイント教えてくれます。
ヒスイ探しのコツは、1.白っぽい石、2.角ばった石、3.キラキラな結晶が輝く石、4.重たい石、5.表面が滑らかな石。このポイントを確認しながら探せば、ヒスイが見つかるかも!?とのことです。
※同ツアーは扇谷さんや「ひすい恵みの会」のメンバーが交代で案内しています。

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ヒスイって何?-1

ヒスイって何?

ヒスイは漢字で「翡翠」と書き、もともとカワセミという小鳥を指す言葉でした。大昔から世界中の多くの地域で「聖なる石」として崇められる存在だったそうです。古代日本人も勾玉にして装身具にしていました。

ヒスイ海岸は、「ヒスイテラス」のすぐ裏に広がっている

ヒスイ海岸は「ヒスイテラス」と目と鼻の距離。石段を数段下るとすぐに砂利浜の海岸が広がっています。「砂利がぬれている場所までは波が来るってこと。だから気をつけてね」と言われ、3人で海岸を東へ向かって歩き始めました。「ここから、だいたい200mくらいがヒスイがよく見つかる場所だよ。台風などで海が荒れた3日後くらいが見つけられることが多いんだけど、今日はどうかな。」

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ヒスイ海岸の朝日と夕日-1

ヒスイ海岸の朝日と夕日

夏至の前後約1カ月間、ヒスイ海岸では海から朝日が昇り、海へと夕日が沈みます。そのころの日の出の時間は午前4時半から5時ごろで、ご来光は早起きしないと見られません。また日の入りは19時過ぎです。

名人と一緒に、ヒスイ探しをスタート

海岸を東に向かって歩き出すと、すぐに「これ、ヒスイ」と言って扇谷さんから小さなヒスイを手渡されました。並んで一緒に歩いているのに、ヒスイを見つけるのは、その次も、そのまた次も扇谷さん。これはヒスイかも!?と思って自信満々で石を見せても「これは違うなぁ」と残念な結果です。最初に教えてもらった探しかたのポイントを思い出して、じっと足元を見て再び歩き始めます。小さいから見逃しているのかなと思い、しゃがんで目を凝らして見るものの、白っぽい石がどっれもヒスイに感じてしまう・・・。扇谷さんが砂利浜に直径30㎝ほどの丸を書いて「この中にあるから探して」と言ってくれました。最初は全然見つけられませんでしたが「もしかして、これですか?」と見せると「正解 !!」という声。 今度は自分でも見つけられそうな気がして、再び夢中で砂利浜を眺めます。

無我夢中!ヒスイ探しの時間はあっという間に

自分で見つけたヒスイを太陽の光に向けると、光を通していることに大感激。いくつか小石を手に持っていると「これはメノウで、こっちは花崗岩だね」と扇谷さん。ほかの石の名前も次々と教えてくれます。蛇紋岩は磁石に付くそうで、ズボンに装着した磁石に近づけて見せてくれました。ヒスイ探しは自分の目で見つけたときの喜びが大きいし、風に吹かれて海辺を歩くのも最高の気分です。夢中になってヒスイを探していたのと、名人がヒスイにまつわる楽しい話しをしてくれたこともあって、約1時間半のヒスイ探しの時間があっという間に過ぎて行きました。海岸を離れる前に、扇谷さんにも入ってもらい記念写真を撮影。旅の素敵な思い出です。

地元のお母さんたちから「タラ汁」作りを学ぶ

ヒスイ海岸から「ヒスイテラス」に戻ったら、ホッと一息つくのもつかの間。調理室でタラ汁作りのスタートです。教えてくれるのは「ふるさと体験inみやざき実行委員会」のメンバーのお母さんたち。ご主人が漁師をしていたという竹谷さんが中心となり指導をしてくれました。この日使ったのは、まな板からはみ出るほど大きい鮮度抜群のスケトウダラ。体験には魚をさばいたことのない人も多く訪れるそうです。「包丁の持ち手をぬらすと、手が滑りにくくなるよ」という助言を受け、ウロコを丁寧に取ってから腹の部分を開いていきます。ブラシでしっかりと洗って血合いを綺麗に取り除くのが、臭みのないタラ汁に仕上げるポイント。お腹を開いたときに、タラコや白子、キモが出てくるので、これらも鍋に入れるために取っておきます。

タラを切るときは、皮を一枚残すのがポイント

次はタラの身をぶつ切りにするのかと思いきや「皮が残るように、こうやって切ってね」と竹谷さん。切り終えて手にしたタラは、皮一枚で全身が繋がっています。タラの皮が切れるのが火が通った合図になるそうで、ここが下準備の肝になります。いざ庖丁を入れてみると、最初はちゃんと皮を残さなくてはと思っていたのに、皮どころか骨も切れない‼︎どうしよう!! 焦っていたら竹谷さんやほかのお母さんたちが再び手本をみせてくれて、四苦八苦してやっとの思いでタラを切り終えました。

タラ汁をお好みの味に仕上げる

お湯が煮立った鍋へ、糀がたっぷりと入った富山の味噌を半量溶き入れ、さらにタラの身を加えます。しばらくするとアクが出てくるので、小まめにすくい取るのも美味しく仕上げるのに大切なこと。この日のタラの腹から出てきたタラコや肝、ゴボウも加え、タラの身をつないでいた皮が切れたら、再び味噌を追加します。途中で竹谷さんが「味をみて。お好みの感じになってる?」と言い、小皿とお玉を持ってきてくれました。「もう少し濃くても大丈夫です」と伝えると、さらに味噌を追加してくれます。「タラ汁って郷土料理だから、家によって作り方や味噌の濃さが少しずつ違うの。私も嫁いだときに義母さんに味を教えてもらって、それをずっと作ってきたのよ」と教えてくれました。

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宮崎の魚食文化-1

宮崎の魚食文化

昭和30〜40年代ごろ宮崎漁港にはスケソウダラが大量に水揚げされていました。漁師たちは海から戻ると、浜辺で円座になってタラ汁を作り食べたといいます。漁獲量が減った今も、タラ汁の食文化が残っています。

作りたてのタラ汁は、湯気までおいしそう

出来上がったタラ汁を味わうのは「ヒスイテラス」の2階スペースです。大きな窓の外には、先ほどまでヒスイを拾っていたヒスイ海岸が広がるベストビュースポット。この辺りでは、浅い磁器の碗を使ってタラ汁を食べるのが一般的だそうで、青絵の入った器によそい、ネギを散らしてくれます。朝日町産のコシヒカリを炊いた白ごはんと手作りの酢の物、漬け物と一緒にタラ汁が主役の昼ごはんがスタートです。

一杯目と二杯目では味が違う、タラ汁の奥深さ

出来立てのタラ汁は、想像していた以上にタラの身が柔らかくて、鮮度の高さが伝わってきます。しっかりと下処理したから、魚の臭みも感じることはありません。骨から身が簡単に外せ、最後の一滴までタラ汁のおいしさを感じることができます。お腹いっぱいに満たされていたら「二杯目は味が違って感じるの」と教えてもらい、おかわりすると汁のコクが強くなったように感じます。「ひすい恵みの会」の扇谷さんや、「ふるさと体験inみやざき実行委員会」のみなさんが、宮崎漁港で定置網をしていた当時のことや、名産の「灰付けワカメ」の話をしてくれて、タラ汁のおいしさ以上に、思い出深い心温まる時間が過ごせました。

ヒスイ探しの拠点、魅力いっぱいの「ヒスイテラス」

また「ヒスイテラス」は、過去にヒスイ海岸に打ち上げられたヒスイや多彩な石の展示をするとともに、常駐する「ひすい恵みの会」のメンバーが、無料でヒスイの鑑定をしています(1人10個まで)。土地の豊かさと、魅力ある人たちの心に触れに、朝日町を訪れてください。

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越中宮崎駅(あいの風とやま鉄道)-1

越中宮崎駅(あいの風とやま鉄道)

「ヒスイテラス」の目の前にある越中宮崎駅は、富山県最東の駅で「あいの風とやま鉄道」と「えちごトキめき鉄道」の両方の列車が乗り入れています。海辺の駅らしい可愛い飾り付けも魅力です。

「越中宮崎駅」

お申込み方法

ヒスイ海岸で名人と宝ものさがし&ソウルフードタラ汁づくり体験は、下記よりご予約いただけます。
・所要時間:約4時間
・料金:大人4,500円 子供(小学生以上)3,500円
・実施期間:4月~11月

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