鉄軌道王国とやまを、家族そろって楽しもう!-1

鉄軌道王国とやまを、家族そろって楽しもう!

富山には多種多様な鉄軌道路線があり、沿線地域の豊かな文化を車窓から伝えています。また車両も特徴的で、国内で初めて導入されたLRTや、県ゆかりの漫画家のイラストをデザインしたラッピング車両、県外の鉄道会社から譲り受けた車両など、どれも個性にあふれています。市民の生活の足となっている路面電車から非日常体験ができる観光列車まで、「鉄軌道王国とやま」の面白さを楽しみましょう。

富山駅

北陸新幹線が乗り入れる富山駅は、富山のハブ駅で県内各地を巡る旅の拠点となる場所です。富山から県境に向かって東西に延びる「あいの風とやま鉄道」や、名古屋へと続く「高山本線」も乗り入れています。また2020年春には富山駅から市内の南北それぞれに延びていた路面電車の接続も行われました。これにより富山市内での公共交通の利便性が一気に高まりました。富山駅にはグルメゾーンもあり、旬の海の味覚を堪能できる店や、地元の人気店も立ち並んでいます。またお土産選びには「ととやま」や「とやマルシェ」が便利です。さらに「フェルヴェール富山駅店」は、観光列車のデザインで知られる水戸岡鋭治さんがデザインを手がけたお店です。店内には水戸岡列車を象徴するベンチシートも設けられていますよ。

北陸新幹線

2015年に北陸新幹線の長野ー金沢間が開業し、東京から富山へのアクセスがとても便利になりました。グランクラスの車両も導入されており、優雅な旅を満喫することもできます。富山駅に停車するのは全席指定の「かがやき」、自由席もある「はくたか」、富山ー金沢を運行している「つるぎ」の3種類の列車です。目的地への到着を急ぐなら、東京ー富山を約2時間10分で運行する「かがやき」、のんびりと車窓の旅を楽しむなら東京ー富山を約2時間40分で運行する「はくたか」への乗車がおすすめです。富山県には富山駅のほかに、宇奈月温泉や魚津などへのアクセスに便利な黒部宇奈月温泉駅、世界遺産の五箇山や氷見方面へ出かけやすい新高岡駅があります。

富山市内電車

富山市内を運行する路面電車は、「鉄軌道王国とやま」を象徴する存在です。2020年春に富山駅の南北接続が完了し、観光客にとっても地元の人にとっても便利に使えるようになりました。「ポートラム(TLR0600形)」は、虹の七色をそれぞれに配色した日本初のLRT(次世代型路面電車システム)車両です。富山市内電車の南北接続に先立つ2019年に銀色の編成が増備されて8色(8編成)となりました。ほかにもLRT車両の「セントラム(9000形)」や「サントラム(T100形)」が運行しています。

かつて富山の市内電車は、富山駅と富山大学、南富山駅前をつなぐ路線のみで、この2路線は地元の人に「市電」という愛称で親しまれてきました。LRT以外にも7000形、8000形という車両が運行し、7000形をインダストリアルデザイナー水戸岡鋭治さんのデザインで改装したレトロ車両もあります。富山駅の南北が接続される以前はそれぞれの車両の運行路線が決まっていましたが、現在は南富山駅前-富山駅-富山大学前のみを運行する7000形、8000形をのぞき、さまざまな車両が市内を行き来しています。

富山市内電車(富山駅ー南富山駅前、富山駅ー富山大学前)

富山駅から南富山駅前にかけての沿線は、飲食店や商店がつらなり、富山の人びとの暮らしぶりを垣間見ることができます。終点の南富山駅前にはレトロな商店街があり、南富山駅からは不二越・上滝線に乗り換えることができます。また富山大学前への路線は、一級河川である神通川にかかる富山大橋を渡ります。富山大橋の西詰には、立山連峰をバッグに路面電車が運行する姿をカメラに収めようと、天気のいい日は鉄道好きカメラマンが待ち構えていますよ。富山地方鉄道の7000形や8000形、LRT車両が街中を走行する姿が印象的で、こんな何気ない音風景が旅の思い出になりそうですね。

富山市内電車(環状線)

環状線が誕生したのは2009年。富山市が公共交通を軸にしたコンパクトなまちづくりをするにあたって、路面電車の環状線化を行なったのを機にセントラムの運行もスタートしました。セントラムはポートラムと同じLRT車両を採用しており、モノトーンの車体が町に溶け込んでいます。また富山城をバックに写真撮影ができるのも環状線しかありません。富山地鉄では、ます寿しや甘味を店舗で引き換えることができるクーポンと市電の1日乗車券がセットになった「ぐるっとグルメぐりクーポン」も販売しています。富山の食文化を楽しみながら、路面電車の旅をするのもよさそうですね。

富山市内電車(富山港線)

2006年にJR西日本が運営していた富山港線を引き継ぐかたちで、富山駅北ー岩瀬浜駅の運行がスタートしました。奥田中学校前駅から岩瀬浜駅は、JR時代の線路をそのまま利用していますが、富山駅から奥田中学校前までは道路上に軌道が設けられました。このときに初めて採用されたのが、道路との溝幅が少ない「溝レール」です。以前はポートラムのみがこの路線を走っていましたが、南北接続以降は路面電車のすべての路線に使われています。8色に彩られたポートラムの車両は、すべて低床車両でバリアフリーも考慮されています。北前船交易の寄港地として栄えた岩瀬大町通りへのお出かけの際にはぜひ、富山港線をご利用ください。

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富岩水上ライン-1

富岩水上ライン

岩瀬へは、富岩運河環水公園から水上クルーズで行くのもおすすめ。途中の中島閘門はパナマ運河方式の閘門で、昭和の土木建築物で初めて国の重要文化財に指定されました。クルーズ券は市内電車との往復乗車券になっており、水上ラインと富山港線を利用して富山駅と岩瀬を往復できます。

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富山地方鉄道(普通列車)

富山地鉄が運行する列車は、緑と黄色の車両が「かぼちゃ電車」、白い車体に赤いラインが入った車両が「だいこん電車」という愛称で親しまれています。この名前は沿線の子供によって付けられたと言われており、今は親しみやすい名前が利用者の多くに広がっています。また2022年1月からは新たなラッピング車両「富山もようトレイン」の運行がはじまり、限定デザインの1日フリーきっぷも販売されています。
レトロな車両が富山平野をのんびりと運行する姿は、何十年も前から変わらない富山の風景です。富山地鉄には電鉄富山駅を発着する3つの路線があり、本線は黒部峡谷の玄関口である宇奈月温泉駅へと続いています。立山線の終着駅の立山駅からは、立山黒部アルペンルートへの山岳観光に出かけることができます。岩峅寺駅が終点の不二越・上滝線も市民の足として親しまれ、立山線への乗り換えもできます。また岩峅寺は雄山神社前立社壇にもアクセスしやすく、観光の拠点にもなっています。

富山地方鉄道(特急列車)アルプスエキスプレス、ダブルデッカーエキスプレス

主に立山駅と宇奈月温泉駅を約1時間かけて運行するアルプスエキスプレスは、2011年に誕生した観光列車です。車両はかつて西武鉄道で運行していたレッドアロー号で、車両デザインはデザイナーの水戸岡鋭治氏が行いました。富山の自然との調和をテーマにデザインされた車両は、木がふんだんに使われているのが特徴で、温かみにあふれています。雄大な景色を思い切り楽しみたい人には、外向きのカウンター席もおすすめです。もう一方の観光列車ダブルデッカーエキスプレスは、京阪電鉄の2階建て車両が原型となります。3両編成の観光列車で二階席からの眺望を楽しみに乗車する人が大勢います。

富山地方鉄道(スイッチバック駅)上市駅

富山地鉄には特徴のある駅があります。上市駅ではすべての列車の前後が入れ替わるので、上市駅に停車すると運転手は一旦電車を降りて、反対側の運転席へ移動します。スイッチバックは急勾配をともなう地形での運行のために考えられた仕組みと路線建設過程でできたものに別れ、上市駅は後者です。富山方面と滑川方面からの線路が現在の上市駅(当時上市口駅)で合流し、さらに東側(町中心部、当時の上市駅)まで延びていましたが、上市口-上市間が廃止、上市口が上市に改称されて現在に至っています。

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富山地方鉄道(レトロ駅舎)岩峅寺駅-1

富山地方鉄道(レトロ駅舎)岩峅寺駅

神社のような佇まいで、黒瓦をのせた駅舎は「とやま近代歴史遺産100選」に選ばれています。映画「剱岳 点の記」では明治期の富山駅の設定でロケが行われ、セットで造られた木造改札が、そのまま使われています。

あいの風とやま鉄道

あいの風とやま鉄道は、北陸新幹線の開業にともなう並行在来線の経営分離で誕生しました。シルバーの車体は、車両を外から見て、山を背景にした時に緑色のラインが、海を背景にした時に青色のラインが見えるように引かれています。新潟県境の越中宮崎駅から石川県境の石動駅まで20ヵ所の駅があり、地元の人の足として利用されています。朝夕の一部列車には、国鉄時代からの旧型車両(413系)が現役で使われています。鉄道の御朱印帳と呼ばれる「鉄印帳」の記帳が富山駅と高岡駅でできます。※2022年3月に新駅開業予定

あいの風とやま鉄道(一万三千尺物語)

「一万三千尺物語」は、あいの風とやま鉄道を運行する観光列車で、国鉄時代からの旧型車両413系が改造した車両が運行しています。富山駅を出発して泊駅で折り返す「富山湾鮨コース」と、富山駅を出発し高岡駅で折り返し再び富山駅を通り過ぎて黒部駅で折り返す「懐石料理コース」の2つがあります。
1・3号車は客車で、山側に大型窓が設置され、天井や床、テーブルなどには富山県産の「ひみ里山杉」を使用し、温もりのある空間が造られています。
また、2号車は厨房と売店になっており、地酒などのドリンクやお土産販売、各市町村の特産品がディスプレイしてあります。富山を熟知するガイドが、歴史や風土、文化を小話を交えながらアナウンスしてくれます。

あいの風とやま鉄道(あいの風サイクルトレイン)

自転車をそのまま電車に積み込める「あいの風サイクルトレイン」を運行しています。東富山駅・滑川駅で乗車し、泊駅で折返してから入善駅・黒部駅で降車するサイクルトレインで、日本を代表し、世界に誇りうる「ナショナルサイクルルート」に指定された「富山湾岸サイクリングコース」を組み合わせた快適な自転車旅が楽しめます。また、当日の乗車きっぷをコース沿線の各協力施設や店舗で提示するとお得なサービスを受けられます。運行は4月~11月の土日のみで、5日前までの予約が必要です。

万葉線

万葉線はあいの風とやま鉄道高岡駅と射水市の越ノ潟を結ぶ路面電車で、第三セクターによる運営が行われています。MLRV1000形の通称「アイトラム」が複数台導入されています。沿線には高岡古城公園や高岡大仏、金屋町、勝興寺といった歴史スポットが点在し、目的地近くの駅で降りてからの街並み散策も楽しいはず。高岡駅から米島口にかけての線路沿いは商店が立ち並び、海に近づくほどに工業地帯の姿が大きくなります。また千本格子の街並みが残る吉久は、2020年に国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に指定されました。ゆるやかに流れる庄川を渡ると、周囲に家々が立ち並ぶ旧新湊の中心地に入ります。海王丸パークやきっときと市場などへのお出かけも、万葉線が便利です。

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ドラえもんトラム-1

ドラえもんトラム

ドラえもんの作者 藤子・F・不二雄氏が高岡市で少年時代を過ごしたことから、万葉線には「ドラえもんトラム」があります。青い車体に赤いラインと黄色の鈴、入口はどこでもドアがデザインされ、窓にはお馴染みの顔ぶれが並んでいます。

西日本旅客鉄道(城端線、氷見線)

JR城端線と氷見線は、あいの風とやま鉄道高岡駅を起点に運行しています。城端線は散居村の景観が広がる砺波平野や越中小京都といわれる城端、氷見線は富山湾越しに3,000m級の立山連峰を望む雨晴や海の幸が有名な氷見へ出かけることができます。漫画家の藤子不二雄Ⓐ氏が氷見市出身であることから「忍者ハットリくん列車」も運行されており、幅広い世代から人気を集めています。「忍者ハットリくん列車」の車体には、漫画に登場するキャラクターと一緒に、五箇山の合掌造り集落や砺波のチューリップ、富山湾の風景なども描かれています。観光列車「べるもんた」も運行しています。

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べるもんた-1

べるもんた

クラシックな列車から、散居村や雨晴海岸を望めます。車内は沿線の伝統工芸品である井波彫刻が展示され、高岡銅器を彷彿とさせる銅箔の吊り革も使われています。予約制となりますが、車内で寿司職人が握る「富山湾鮨」が味わえ、地酒も堪能できます。「べるもんた」は愛称で、正式名称の「ベル・モンターニュ・エ・メール」はフランス語で「美しい山と海」を意味します。

べるもんた

西日本旅客鉄道(高山本線)

JR高山本線は、富山駅と岐阜駅をつなぐ路線です。富山駅からは普通列車と特急列車の「ひだ」が運行しています。「おわら風の盆」で知られる八尾町を訪れる際は、越中八尾で下車してください。また県境に近い神通峡も、折々の景色が見事です。富山県内各地を運行する列車に乗車してローカル路線の魅力を堪能しましょう。「鉄軌道王国とやま」へ、ぜひ遊びに来てください。

富山の大自然を走る鉄軌道

  • 黒部峡谷トロッコ電車

    黒部峡谷トロッコ電車

    富山地鉄の宇奈月温泉駅から歩いて5分の場所に、日本有数のV字峡を走る黒部峡谷鉄道の宇奈月駅があります。電源開発のための資材運搬路線だった線路を利用し、欅平駅までの20.1㎞を約80分で運行します。

    黒部峡谷トロッコ電車をもっと知る
  • 立山黒部アルペンルート

    立山黒部アルペンルート

    富山地鉄 立山駅は、山岳観光の出発点。美女平駅までの標高差500mを約7分で結ぶ立山ケーブルカーが運行しています。美女平から立山高原バスに乗り換えれば、約50分で標高2,450mの室堂ターミナルへアクセスできます。また毎年6月末から10月中旬まで観光放水を実施している黒部湖へは、トロリーバス、ロープウェイ、黒部ケーブルカーを乗り継いで向かうことができます。

    立山黒部アルペンルートをもっと知る

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こんなに魅力いっぱい!富山は鉄軌道王国

バラエティに富んだ全国的にも珍しい富山県の鉄軌道。
富山県には、数え方にもよりますが、12路線の多種多用な鉄軌道があります。2015年に開業し、東京と富山を約2時間10分で結ぶ北陸新幹線、県民の基幹交通であるあいの風とやま鉄道のほか、地域住民の大切な移動手段として街中を走るLRT、自然豊かな峡谷を走るトロッコ電車など、全国的にも珍しいバラエティに富んだ鉄軌道の魅力を満喫することができます。

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