富山の寿司は、なぜ、うまい?-1

富山の寿司は、なぜ、うまい?

「天然のいけす」富山湾は、
地形と豊かな水の循環のたまもの。


1000mの深海と3000級の立山連峰が、4000mもの高低差をつくり出すダイナミックな地形が特徴の富山湾。河川や地下水など、森の栄養分たっぷりの水が注がれ、豊かな水の循環と地形が約500種もの魚を育む「天然のいけす」を生み出しています。

沖合の漁場から陸までが近く、鮮度抜群のネタが堪能できるのも富山の寿司の魅力です。
普段の食卓や日常で食べられている寿司から、高級なおまかせまで、漁師や職人たちが丹精こめる富山の食材と多彩な寿司。お口も心もとろけるわけを、一挙ご紹介します。

美食材は、富山の独特の地質から。


「天然のいけす」、富山湾


高低差の分だけ味わいも深く、多彩になる、富山の寿司。富山の人々は自然による試練を乗り越えながら、一方でその恩恵を存分に受け、多彩な食文化を育んできました。富山の寿司ネタがなぜ特別なのかを、地質学からもご紹介しましょう。

水深が1000mを超える富山湾の背後には、標高3000m級の立山連峰がそびえています。わずか50kmほどの距離に4000mもの高低差をつくりだす、このダイナミックな地形こそが、「天然のいけす」ができた理由です。

立山連峰、そして飛騨高地の深い森の栄養分をたっぷりと含んだ水が、河川や伏流水となって富山湾へ流れ込みます。その栄養分から海ではプランクトンが沸き立ちます。栄養豊かな表層水が、対馬海流に乗って富山湾へ入ってくる生き物たちを味わい深くしているのです。
富山湾のもう一つ豊かな水「日本海固有水」。日本海には、シベリア寒気団によって強烈に冷やされて重くなった海水が300mを超える深さに広がっています。水温は年間を通じて0〜1℃と低温かつ一定で、表層水に比べてシリカ、リンやカリウムが豊富です。このような固有水の特性が、富山湾の深海のさまざまな魚介を育んでいます。

〔出典〕美食地質学創始者・ジオリブ研究所所長・巽好幸 氏記事

 

富山の多様な水と人が、おいしい米と酒を育む。


日本有数の米どころ、富山のシャリとは。


寿司のシャリとなる富山のおいしいお米。現在では米どころであり、全国一の種もみの産地として、富山平野、砺波平野、黒部川扇状地などでは豊かな田園風景が広がっています。しかし、扇状地は、もともとは砂地で土の層が薄く水もちが悪いため、米づくりには向いていない土地でした。

そこで、富山に暮らす人々は長い年月をかけて扇状地を開拓し、治水や用水路網の整備、土地改良などを行ってきました。砺波平野の散居村もその代表的な例のひとつです。ときに厳しい自然に耐えてきた、粘り強い富山の人々によって大切に育てられた特別なシャリ。ぜひ、富山湾の最高のネタとともに、ご賞味ください。

 

硬水と軟水、それぞれの地域で味わいが異なる富山の酒


巽好幸さんによると、富山の湧水や川の水は県東部では比較的、石灰岩が多いことから硬水系、西部や黒部周辺では花崗岩の影響により軟水系、さらに、氷見では硬水系の水といった具合に、地域ごとの地質の違いにより、多様性に富んだ水があるのが特徴だといいます。

それによって、富山県内各地の蔵元で作られている日本酒の仕込み水も当然変わり、さまざまな味わいのお酒がつくられている要因の一つとなっています。硬水系の水の地域でつくられる本醸造酒は濃醇で辛口のものが多く、県西部では甘口で淡麗な本醸造酒が多くなっています。

 


寿司と料理とお酒、自分にとっての
最高のマリアージュを探そう。


バリエーションに富んだお酒によって、寿司やお料理とのマリアージュも多彩になります。例えば、脂ののったブリを濃醇なお酒と合わせて、ブリの強い旨みとともにいただくのも一つ。または、淡麗なお酒と合わせて、ブリの脂身、味の濃さをさっぱりさせるというのもいいですね。

軟水と硬水を使い分けてその特性に合ったお料理やお酒が生み出されてきた富山県。全国的に見てもとても珍しい土地柄です。ご自分の好きな組み合わせを、ぜひ、あれこれ探究してみませんか。


富山の寿司は、富山ならではのネタで満喫したい。 
 

冬の寒ぶり、春のホタルイカ、シロエビ、甘エビ、ベニズワイガニ、バイ貝など、四季折々の富山湾の地の魚や、ここでしか味わえない絶品の食材・加工品。富山ならではのネタをご紹介します。

「富山湾鮨」は富山湾の四季折々の獲れたての地魚と、富山県産米のシャリを使った寿司10貫、富山らしい汁物が提供され、富山を訪れた人だけが堪能できるお寿司です。

価格は2,700円〜5,500円(税込)の範囲で、誰もが安心して楽しめます。前日までに予約すると、お店ごとのサービスがありますので、ぜひ、ご予約を。

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富山ならではの天然・新鮮な極上寿司「富山湾鮨」を食べに行こう!

富山でしか味わえない旬の「富山湾鮨」。
魚介の宝庫、そして、米どころとして有名な富山を訪れたときに、ぜひ食べてほしいお寿司、「富山湾鮨」の魅力をご紹介しています。

詳細はこちら

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地元民おすすめ!本当に美味しい富山のお寿司「富山湾鮨」レポート

富山の旬の地魚を楽しめる「富山湾鮨」が食べられる富山県内のおすすめ寿司店を地元ライターがそれぞれ取材し、紹介しています。

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発酵食、ます寿し、かぶら寿司という醍醐味を。


寿司好きの富山県民ならではの寿司文化


にぎり寿司のほかに、ます寿し、かぶら寿司などの発酵食品も富山の特徴ある寿司の代表です。お店ごとに工夫された素材や製法で、味わいが大きく異なっています。地元の人のように、あれこれ試して、自分好みのお店を見つけて楽しんでみませんか。
また、富山のコンビニのおにぎりコーナーでもます寿しは売られているので、お手軽に味わえます。

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地元民おすすめ!本当に旨い「ます寿し」レポート

山のお土産の定番!ます寿しは、富山県民も大好きで、各家庭で“いち推し“があったりします。
地元ライターがお気に入りの「推し寿司」それぞれ取材し、紹介しています。
数多くのお店からどれを選ぶか迷ったら参考にしてみてください!

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「寿司といえば、とやま」ブランディングプロジェクト

富山県では、「寿司」を入口とした本県の認知度向上、地域産業の活性化を目指すブランディングプロジェクトに取り組んでいます。

標高約3,000mの立山連峰から水深約1,000mの富山湾に至る高低差4,000mの地形は、水や食材などの多彩な恵みを生み出してきました。
人々は、その恵みを享受する一方で、時にこの地形がもたらす試練を努力と英知で乗り越えてきました。
幅広い富山の食、お酒、器をはじめとした工芸などの魅力を県内外の方々に実感いただき、「幸せ人口1000万」の創出・拡大、「富山=ウェルビーイング」の定着を目指しています。

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