富山のアートと自然が融合するスポットへ
富山のアートと自然が融合するスポットへ
富山でアートな休日を過ごしませんか?
富山県内にある美術館や文学館、博物館は、それぞれ特色のあるコンセプトを掲げて、企画・常設展示を行っています。
屋内外の展示品だけでなく、富山の美しい風景と一体になった建築も魅力あるものばかり。
四季折々の風景とともに来館者をあたたかく迎えてくれます。
今回は、『富山県美術館』『富山県水墨美術館』『高志の国 文学館』『富山県[立山博物館]』をご紹介します。
富山でアートと自然に浸りましょう。
富山県美術館
富山の美しい自然を取り込んだ美術館
富山駅北口から徒歩15分の場所にある『富山県美術館』は、隣接する「富岩運河環水公園(ふがんうんが かんすいこうえん)」や立山連峰の眺望と地形を生かすように建てられました。
素晴らしい景色を楽しんでもらうために東側は一面ガラス張り。館内は富山県産の「ひみ里山杉」が豊富に用いられた空間です。
設計は、建築家・東京大学名誉教授の内藤廣氏が手がけました。
屋外広場には三沢厚彦氏の「ANIMALS(アニマルズ)」シリーズのクマをモチーフにした作品が恒久展示されており、同館の展示の中でも存在感を放っています。
【交通アクセス】
■富山駅から
・北口から徒歩約15分
・富山地鉄バス1番のりば富山赤十字病院 県美術館経由「富山県美術館」下車すぐ
■自家用車・タクシーを利用の場合
・富山駅北口から約3分
・富山きときと空港から約20分
・北陸自動車道「富山IC」から、国道41号を経由し約20分
20世紀初頭から現代までの作品をコレクション
「アートとデザインをつなぐ」をコンセプトに、20世紀初頭から現代までの作品を収蔵しています。
コレクション展では前身の『富山県立近代美術館』から収蔵し続ける世界の美術の巨匠たちの絵画や彫刻、椅子、ポスター等が鑑賞できます。ポスターコレクションは14,000点以上に及び「チームラボ」のテクノロジーを活用した大型タッチパネルでも作品が紹介されています。
また富山県出身の美術評論家 瀧口修造、晩年を富山で過ごしたシモン・ゴールドベルクのコレクションを紹介する展示室もあります。
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レストラン『BiBiBi&JURULi』(3F)
「BiBiBi & JURULi」「アートとイート」にこだわっており、富山の食材と工芸、アートをミックスした食事、「オノマトペ」の名が付いたスイーツが味わえる。
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カフェ『Swallow Cafe』(1F)
「Swallow café」もちもちのベーグルや富山県産の野菜をたっぷり使った料理やサラダ、季節限定スイーツが人気。天気の良い日は、テラス席の利用もおすすめ。
Column
「オノマトペの屋上」について
「富山県美術館」の「オノマトペの屋上」には、独特な遊具がある庭園が広がっています。
東は、雄大な立山連峰を見渡せ、西は、夕陽が沈む景色を眺めることができます。また、夜景を楽しめるスポットでもあります。
富山県水墨美術館
明治期から現代までの日本美術に触れる
広大な庭を持つ『富山県水墨美術館』は、平屋造りと瓦葺きという日本の伝統的な建築技法が生かされており、銀鼠(ぎんねず)の瓦は墨色を再現しています。館内にある扉から中庭へ自由に行き来でき、立山連峰を背景にそびえ立つ枝垂れ桜をはじめ、木々や草花の可憐な彩りを近くからも眺められます。
常設展示室は明治期から現代の日本画を展示しており、年4回の展示替えが行われます。
また砺波市出身の下保 昭氏の水墨山水をはじめとした作品を紹介する展示室もあります。
【交通アクセス】
■富山駅から
・市内電車大学前行「トヨタモビリティ富山Gスクエア五福前(五福末広町)」下車、徒歩約10分
・富山地鉄バス3番のりばから各方面行「五福末広町」下車、徒歩約10分、
7番のりばから四方・新桜谷町・石坂行、北代循環「畑中」下車、徒歩約10分
■自家用車・タクシーを利用の場合
・富山駅から約10分
・富山きときと空港から約25分
・北陸自動車道「富山IC」から約20分
数寄屋造りの茶室で、一服いただく
中庭に面した110mの廊下の先には、下保 昭氏によって名付けられた茶室「墨光庵(ぼっこうあん)」があります。数寄屋(すきや)建築の第一人者で小矢部市出身の中村 外二氏が設計を手掛け、長男の義明氏が完成させました。
立礼席(りゅうれいせき)と八畳間の和室からなり、軸や釜などの道具は季節によって変わります。
3月~11月中の土・日曜、祝日は立礼の呈茶席が利用できます。抹茶とともに出される上生菓子は、富山市の和菓子店『平安堂』と美術館が一緒に企画展のテーマに合わせて考案しています。
2023年の夏からは茶庭も散策できるようになりました。
Column
日本の美と四季を体感できる「富山県水墨美術館」の魅力をレポート!
日本の美と四季にこだわった美術館。
せっかくなら隅々まで美術館を楽しんでほしい!そんな思いで地元ライターが「水墨美術館」の魅力を全力でレポートしています。
高志の国文学館
富山県ゆかりの文学作品や作家を紹介
富山市中心部を流れる松川のほとりにある『高志の国 文学館』は、旧富山県知事公館を改装・増築した文学の博物館です。
内外壁は富山の重要産業であるアルミ鋳造のパネルが用いられ、越中万葉に詠まれたコナラやエゴノキなどの植物の葉が散りばめられています。
企画展示室のほかに、富山県ゆかりの文学書籍が壁一面に収められた部屋や、県ゆかりの小説家や漫画家らの直筆原稿を展示するコーナー、富山大学所蔵のヘルン文庫(小泉八雲の旧蔵書)の紹介コーナーなどがあります。
【交通アクセス】
■富山駅から
・南口から徒歩約15分
・市内電車大学前行または環状線「県庁前」下車、徒歩5分
・コミュニティバスまいどはや(西ルート)「富山中部高校前」下車、徒歩約2分
■自家用車・タクシーを利用の場合
・富山きときと空港から約20分
・北陸自動車道「富山IC」から約20分
「万葉の庭」や、館内の散策も楽しい
館内には自由に本が読めるライブラリーコーナーや、絵本や紙芝居、ドラえもんの「どこでもドア」がある親子スペースなど、気軽に文学に触れられる場所が豊富に用意されており、同館の館長で俳優や絵本作家・エッセイストとしても活躍する室井滋さんの作品も置いてあります。
受付で注文したコーヒーを手に、窓辺の椅子に腰掛けて本を読むのもおすすめ。
大木が聳(そび)える「万葉の庭」は、万葉集に詠まれているナデシコやオミナエシ、カタカゴも植えられており、眺めるのはもちろん散策もおすすめです。
Column
レストラン『シェ・ヨシ』
館内に併設するレストラン『シェ・ヨシ』では富山の山海の幸を素材にした、本格的なフランス料理が味わえる。県内作家の器に美しく料理が盛り付けられており、目と舌で富山を堪能できる。
レストラン『シェ・ヨシ』立山博物館
立山の自然と人間のかかわりをテーマにした博物館
『富山県[立山博物館]』は、立山信仰の拠点の一つであった立山町芦峅寺(あしくらじ)に13の博物館施設が分散して配置されています。中心施設となる展示館はプリツカー賞を受賞した磯崎新氏の設計で、中央のらせん階段の側壁は立山の春の風物詩「雪の大谷(おおたに)」をイメージしています。
展示室には明治40年に剱岳山頂で発見された国重要文化財の「銅錫杖頭 附 鉄剣(どうしゃくじょうとう つけたり てっけん)」が展示されていて、剱岳が修行の場だったことが考えられます。ほかにもうば尊像や立山曼荼羅(まんだら)など、立山信仰を語る上で欠かせない資料を紹介しています。
【交通アクセス】
■最寄り駅から
・富山地方鉄道立山線「千垣(ちがき)駅」下車、徒歩約2km(約30分)
・立山町営バス芦峅寺(あしくらじ)線「千垣駅前」で乗車、
「雄山(おやま)神社前」下車すぐ(町営バスは日曜日運休)
■自家用車・タクシーを利用の場合
・富山駅から約45分
・富山地方鉄道「立山駅」から約15分
・北陸自動車道「富山IC」から約35分、「立山IC」から約30分
立山曼荼羅(まんだら)の世界を五感で体感
立山曼荼羅の世界を、造形物や音、光、香りなどの演出により五感で体感できるのが『まんだら遊苑(ゆうえん)』です。
立山曼荼羅の精神世界を現代芸術によって抽象的に解釈した展示が屋内外に広がっており、地獄を表現した「地界(ちかい)」、立山登拝を体験できる「陽の道(ひのみち)」、極楽浄土をイメージした「天界(てんかい)」、天界から現実へ回帰する「闇の道(やみのみち)」で構成されています。
空間プロデューサーは六角鬼丈(ろっかく・きじょう)氏(元東京芸術大学名誉教授)。宗教的な世界を、楽しみながら学べます。
Column
富山へ、感性を刺激する旅に出かけよう
富山へ、感性を刺激する旅に出かけよう
アートと建築、自然を楽しむ、富山の美術館、文学館、博物館へ足を運んでみませんか?
静かな空間で芸術に触れ、心が洗われる感動体験が、日常の疲れやストレスをリセットして明日からの活力になってくれるはずです。富山へ、感性を刺激する旅に出かけましょう。