特別な出合いを求めて
美術館へ
県内には、つい巡りたくなる個性豊かな美術館が充実しています。選りすぐりの展示作品と趣向を凝らした建築美が調和したアートな空間は、どれも特別。ハッとしたり、ドキッとしたり、ワクワクがとまらなくなったり。旅を彩る出合い探しに、さあでかけましょう。
ヘッダー:富山県美術館
富山県美術館
気軽で身近な、アート空間
ガラス張りのオープンな「富山県美術館」は、誰もがアートを発見し、実際に体験できる場所。大きな窓越しに見える豊かな自然は絵画のように美しく、展示室へ向かう廊下は木の温もりに満ちていて、心静かにアート鑑賞を楽しめる。また、「アートとデザインをつなぐ」というコンセプトどおり、20世紀の名作椅子や、ポスターのコレクションも多彩。屋外広場では、彫刻家・三沢厚彦さんによるクマをモチーフにした作品との記念撮影もしてみよう。
3階の展示室では、ポスターと椅子を中心としたデザインコレクションをいつでも鑑賞できる。椅子は170種類ほどのコレクションのうち、約60種類を展示。日本のインテリアデザイナーの倉俣史朗や、オランダの建築家ヘリット・トーマス・リートフェルトなど、20世紀の名品を間近で見てみよう。
ポスターは約1万4000点のコレクションの中から、その時のテーマに適した作品を選んで年に4回ほど展示替え。国際公募展「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」の入賞作品が展示されることも。また、タッチパネルで好きな作品を選び、大型ディスプレイで見るのもおすすめ。
富山市ガラス美術館/TOYAMAキラリ
ガラスの新しい表情を知る
キラキラ輝く立山連峰のような外観そのものがアート。中央を貫く大胆な吹き抜け、天窓からの光、県産杉が創出する明るく開放的な空間に圧倒される。常設展では、1950年台以降の現代グラスアートを中心とした所蔵作品の一部を展示。柔らかそうだったり、暖かそうに見えたり、「ガラスの街とやま」で知らない表情のガラスを見つけてみよう。
こちらの美術館は、世界的な建築家・隈研吾さんが手がけた建物。内部は、天窓からの光が富山県産杉を使用したルーバー(羽板)に反射して、館内全体が明るく開放的な雰囲気。木の温もりにも癒されそう。
ガラスや御影石、アルミといった素材を用いた壁面デザインに、太陽光が反射してキラキラ輝く外観は、まさに「ガラスの街とやま」のシンボル。立山連峰をイメージさせる形も美しく、しばし眺めていたくなるほど。
セレネ美術館
宇奈月温泉に位置し、豊かな自然に囲まれた美術館。平山郁夫など現代日本画壇を代表する画家が、同館のために描いた作品を常時鑑賞できる。そのテーマは「黒部峡谷の大自然」。多様な視点で切り取られた黒部峡谷を楽しみたい。地元アーティストの作品を展示するギャラリーもチェックを。
富山県水墨美術館
水墨画は単なる黒ではなく、青墨や茶墨などの色彩や濃淡があり、さらにぼかしなど多様な技法があるのが魅力。見るほどに奥深い水墨画という日本文化の美を、平家の瓦葺きという伝統的な日本建築で堪能してみて。鑑賞後は木製ベンチに腰掛けて、芝が広がる中庭を眺めて寛ぐのもいいかも。