温泉のぬくもりが迎えてくれるトロッコ旅の始発点 宇奈月温泉まちあるき(富山県黒部市)
宇奈月温泉は富山を代表する温泉地。富山地方鉄道の終点•宇奈月温泉駅に降り立つと、そこは湯けむりが漂う温泉街です。旅館が立ち並ぶほか、温泉まんじゅうやお土産を販売するお店、食事処、喫茶店、総湯や足湯などもあり、温泉街をぶらぶら散歩するだけでもたくさんの出会いがあります。春から秋は、黒部峡谷鉄道の始発駅からトロッコ電車に乗って、自然の風を浴びながら日本有数のV字峡谷の旅を楽しむのもおすすめ。
温泉街の、のんびりとした時間の流れに癒される
富山地方鉄道宇奈月温泉駅に到着すると、湯けむりが立ち上る温泉噴水が迎えてくれます。温かな湯に触れて、真っ白な湯気を浴びていると、温泉旅に来たことを実感できますね。
1923年に開湯した宇奈月温泉は、もうすぐ開湯100年。歴史ある温泉地で非日常の時間を過ごせるなんて、とっても素敵な休日です。
温泉街を歩いていると、街全体に漂うのんびりとした時間の流れが心地よく、心も体もどんどん癒されていくでしょう。
ちょうど宇奈月温泉駅に停車していた「富山もようトレイン」は、2022年に運行を始めたばかり。赤い車体にライチョウがデザインされていて癒されます。
宇奈月・くろべ食べ歩きクーポンを使って、温泉街のお店をめぐる
宇奈月温泉街では「宇奈月・くろべ食べ歩きクーポン」を利用して、いろんなお店をめぐるのがおすすめです。まずは総湯「湯めどころ宇奈月」の1Fにある宇奈月温泉観光案内所で、クーポンを手に入れましょう。
このクーポンは、600円で3店舗を選んで食べ歩けるとってもお得な内容。参加店舗から好きな場所を見つけて、お得なサービスを満喫してくださいね。
せっかく総湯を訪れたなら、足湯の利用もおすすめです。足を浸けているだけなのに全身がポカポカしてくるから、温泉のパワーは偉大ですよね。美人の湯として有名なだけあって、足がツルツル&スベスベになりました。
温泉街の足湯は、ほかにも宇奈月温泉駅のホームの「駅の足湯 くろなぎ」と、宇奈月公園の「おもかげ」、「足湯・カフェボンフィーノ」があります。
地元で人気の喫茶店、宇奈月定番のお土産やさんへ
訪れたのは、宇奈月温泉駅から歩いて3分ほどの場所にある「カフェ モーツァルト」。名前の通りお店にはモーツァルトの音楽が流れています。クーポンを手渡すと、店主の能勢実さんが生クリームやナッツを飾ったシャーベットを持ってきてくれました。乙女心をくすぐる上品な見た目のスイーツは、お店のクラシックな雰囲気を映しているようです。
そして次に訪れたのは、すぐそばにある「つぼや」。ここではクーポンを手作りの「おまんじゅう」と「やまびこせんべい(3枚入り)」に引き換えることができます。おまんじゅうは、黒糖生地の小豆こしあん入りか醤油もろみ生地の白こしあん入りを選べると聞き、醤油もろみ生地を選びました。宿で食べるのが楽しみです。
そして最後のクーポンで「中島観光百貨店」の「宇奈の月」と交換♪このカスタードを包んだムーンケーキは、宇奈月温泉街と北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅のみの販売だそうです。
まだまだ参加店舗はあるので皆さんお好きな3店舗を選んでくださいね♪
黒部川の水と人にまつわるストーリーを知る
トロッコ電車の始発駅である黒部峡谷鉄道宇奈月駅の目の前に、黒部川の水と人にまつわる展示を行う「黒部川電気記念館」があります。ここでは世紀の大工事として今も語り継がれている「くろよん(黒部ダム•黒部川第四発電所)」の建設工事の紹介や、ライブ映像を見ながらのトロッコ電車の旅の疑似体験ができます。黒部川の電源開発調査のために開削された旧日電歩道(黒部川下ノ廊下)が実物大で再現されていて、断崖絶壁にある歩道を進む体験は、下に黒部川が流れていると思うと再現と分かっていてもスリルを感じるでしょう。また「くろよん」建設工事の中でも特に難関を極めた「大町トンネル」の掘削の苦労が、発破映像でリアルに紹介されています。
黒部川の電源開発調査のために開削された旧日電歩道(黒部川下ノ廊下)が実物大で再現されていて、断崖絶壁にある歩道を進む体験は、下に黒部川が流れていると思うと再現と分かっていてもスリルを感じるでしょう。
また「くろよん」建設工事の中でも特に難関を極めた「大町トンネル」の掘削の苦労が、発破映像でリアルに紹介されています。
「水」をテーマにしたシアターは、黒部の名水を溜めた水盤がスクリーン。細かい泡を立てながら「くろよん」にあるペルトン水車(直径3.3m)を映し出します。ダイナミックな存在感に、子どもも大人も引きつけられるでしょう。
さらに黒部峡谷や北アルプス周辺の地形がジオラマとパノラマ写真で表現されたコーナーでは、宇奈月温泉と黒部ダム、立山、剱岳など周辺の位置関係が一目で分かるので、ジオラマと写真を比較しながら眺めるのもいいですね。
同館は、体験型の展示がメインなので、黒部川やダムに詳しくなくても楽しめます。
Column
旅の思い出にお土産も販売中!
黒部峡谷トロッコ電車のグッズや、富山もようのカモシカ柄アイテムも販売しています。
バーナーワークでガラスのアクセサリー作り体験
温泉街にある「Holo家」の工房で、ガラスの棒をバーナーの熱で溶かして、アクセサリーにする体験ができます。教えてくれるのは、店主でガラス作家の堀池亮太さん。
まずは堀池さんが制作した見本を参考にしながら、色やデザインを選びます。これまでガラス体験をしたことがなくても、マンツーマンで丁寧に指導してくれますよ。
最初はバーナーの炎の勢いにびっくりするかもしれませんが、慣れてくると炎を当てる微妙な位置も分かってきて、どんどん楽しくなってくるはず。
冷却に30分かかるので、その間に食べ歩きクーポンを使って温泉街をめぐるのもおすすめです。
着けるたびに宇奈月を思い出す、手作りネックレスが完成
30分後、出来上がったガラスを取りに「Holo家」へ。制作途中は分かりづらかったマーブル状の模様もしっかりと見てきました。ネックレス用の紐は好きなカラーを選べるので、ブラウンをチョイス。「ほかにもヘアゴムやグラスにも挑戦できますよ」と堀池さん。別のものにも挑戦したいという創作意欲が湧いてきますね。「Holo家」では堀池さんが制作したガラス作品も販売しています。
また雑貨のコーナーにはトロッコ電車やホタルイカをデザインしたオリジナルポーチがあり、これもお土産に人気のアイテム。2Fにはカフェもあって、食事やスイーツも提供しているそうです。
黒部峡谷鉄道宇奈月駅で、冬限定の運転体験
トロッコ電車が運休になる冬期間、黒部峡谷鉄道ではトロッコ電車の運転体験を実施しています。実際の体験の前に、運転士さんから運転席の仕組みをモニターの映像を使って教わります。次に運転士さんも使っているアルコール検知器を使って、呼気中のアルコールの測定も行いますよ。
運休中の駅の構内に入るのはもちろん、線路に下りるのも初めての体験。目にする景色がどれも新鮮で、あちらこちらと見渡していたい気分になりますが、いざディーゼル機関車に乗り込みます。
ディーゼル機関車に乗り込み、冬の宇奈月を出発進行!
乗車したのは、DD25ディーゼル機関車。普段は保守整備に使われているそうです。運転席は目の前に2本のレールが延び、どこまでも続いています。運転席に座れるのも感動だし、眺めたことのない高さから線路や周りの景色を眺められるのも楽しくて興奮してしまいますよね。室内は想像以上にコンパクトな設計で、手を延ばすとすべてのハンドルやボタンの操作ができるのが分かります。運転士さんが隣に乗り込み、出発前に、再び動作の確認です。
冬しかできない感動体験で、記念写真をいっぱい撮影
駅内の線路150mを2往復します。スピードは時速8㎞でゆっくりなのですが、時速以上のスピードを感じるはず。1往復目はドキドキですが、2往復目は慣れてくることもあり周りの景色や運転室の設備を楽しめます。終了後は受付をした場所に戻り、体験参加証とデッドストックの黒鉄切符をもらえます。デットストック切符は現在は使われていない硬券で、鉄道好きの人にも人気がありそうです。
どの季節に訪れても、温泉のぬくもりと雄大な自然が迎えてくれる宇奈月の旅はいかがでしたか? トロッコ電車の特集記事も併せてチェックしてみてくださいね。